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バチカン

法王の教えに背く「ぜいたく司教」

バチカンそのものの体質に疑問を抱かせる呆れた浪費癖

2013年11月8日(金)15時07分
アレクサンダー・ベサント

セレブか 司教は自宅も兼ねた司祭館の改築に41億円を掛けた Kai Pfaffenbach-Reuters

 3月に就任したローマ法王(教皇)フランシスコは倹約をモットーに掲げる庶民派だ。自身は豪華な公邸でなくつつましいアパートに暮らし、教会にも質素倹約を呼び掛けている。

 ところがドイツ西部に位置するリンブルク司教区のフランツペーター・テバルツファンエルスト司教(53)が、住居の改修に3100万ユーロ(約41億円)を投じていたことが発覚。司教の辞任を求める人々が問題の建物を取り囲む騒ぎになった。

 ドイツでは教会に所属する信者に教会税が課されており、その額は昨年だけで60億ドル以上に上る。それだけに、聖職者の贅沢三昧に信者の怒りは収まらない。ローマ法王庁は先週、司教に資格停止処分を下した。

 それにしても、さほど大きくもない一軒家の改築になぜそれほどの大金が掛かるのか。どうやら司教は2万ドルの浴槽や3万4000ドルの会議用テーブルを購入し、400万ドルを投じて個人用の礼拝堂を造ったようだ。

 処分が下される2日前、司教はバチカンで法王と面会した。さすがに、このときのバチカン行きでは格安航空会社ライアンエアを使ったようだが。

From GlobalPost.com特約

[2013年11月 5日号掲載]

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