最新記事

財政赤字

増税を望むフランス大富豪たちの太っ腹

金持ち増税を米政府に求めるバフェットに続き、仏ロレアルやトタルのトップが「特別貢献」税を払いたいと言い出した

2011年9月29日(木)15時35分
フレヤ・ピーターセン

祖国のために ロレアルの相続人ベタンクール夫人も協力を申し出た Charles Platiau-Reuters

 フランス国債の格付けは最上級のトリプルA。他国が羨む格付けを維持しようと必死のサルコジ政権に、寛大なスポンサーが現れた。財政再建のため、大富豪グループがもっと税金を払いたいと申し出たのだ。

 化粧品大手ロレアルの相続人、石油大手トタルの総帥ら16人の企業トップと富豪が、富裕層を対象とする「特別貢献」税の導入を求めた請願書に署名。この請願書はヌーベル・オプセルバトゥール誌のウェブサイトで公開された。投資家のウォーレン・バフェットも米政府に同様の課税を求めている。

 来年の大統領選で苦戦が予想されるサルコジは、財政赤字を減らせとフィヨン首相の尻をたたいている。フィヨンは当初2%としていた今年のGDP伸び率予測を1・75%に下方修正したばかり。今年第1四半期の伸び率は0・9%だったが、第2四半期はゼロ成長。巨額の財政赤字を削減し、トリプルAを維持できるのか疑問視する向きもある。

フランスの財政赤字は現在GDP比5・7%。サルコジ政権は13年までにユーロ圏の上限である3%に抑えたいとしている。

GlobalPost.com特約

[2011年9月 7日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

現代自、第3四半期は米関税で29%減益 通期目標は

ワールド

ウクライナ、エネ施設への攻撃受け電力供給を制限=当

ビジネス

SMBC日興、7─9月期純利益は6割増 政策株売却

ビジネス

仏ソジェン、第3四半期は予想上回る増益 コスト削減
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中