最新記事

英王室

メーガン妃とヘンリー王子の「ロイヤル・ツアー」が政治道具に...イギリス王室の「二層構造化」とは?

Harry and Meghan Enter Era of 'Two-Tier' Royal Tours

2024年08月24日(土)08時50分
ジェームズ・クロフォード・スミス
ヘンリー王子とメーガン妃

Colombia Vice Presidency/Handout via REUTERS

<王室を離脱した夫妻の海外訪問は「完全プライベート」にもかかわらず公式訪問を彷彿とさせ、一般人には違いがわからない>

ヘンリー王子とメーガン妃の「ツアー」が新たな時代に突入した。イギリス政府との協力のものに王室メンバーに公式訪問をしてもらうことに苦労している国々にとって、第二の選択肢の可能性があるからだ。

8月15日から4日間の日程でコロンビアのフランシア・マルケス副大統領の招待を受けて訪問した夫妻は、コロンビアの豊かな文化遺産を体験し、子供のインターネットの安全や退役軍人のイベントに参加した。

【関連写真】メーガン妃の「偽ロイヤル・ツアー」...1日3回計9回の「お色直し」のすべて を見る


 

2020年にイギリス王室を離脱して公務から退き、アメリカに移住したため、もはやイギリス王室やイギリス政府の代表として公務を行なっておらず、夫妻の仕事や訪問は純粋なプライベートとなっている。

一見すると「格下げ」のようにも見えるが、実際には憲法上や外交上の制約を受けることなく、どこへでも自由に行けることを意味する。

このように「ワーキング・ロイヤル(働く王族)」による公式訪問と、ヘンリー王子とメーガン妃による非公式訪問が区別されて「二層構造」になっていることについて、本誌の王室担当記者のジャック・ロイストンがイギリスのLBCラジオで次のように語った。

「イギリス王室や外務省など公式ルートでの王室メンバーの訪問実施が難しい国々にとって、もう1つの選択肢があります。それがヘンリー王子とメーガン妃を招待し、公式訪問のように再現することです。今回のコロンビア訪問がまさにその一例です」

ヘンリー王子とメーガン妃が首都ボゴタに到着した際の贈り物の交換は、まさに公式訪問を彷彿とさせるもので、一般人には違いがわからないという。

「実際には違いはありません。外交面ではすべてコロンビアが準備し、夫妻が訪れる場所すべてに副大統領が同行しています。これはイギリス政府を代表した公式訪問のように見せることが容易であることを意味します」

一般のコロンビア人にとっては「コカ・コーラとペプシの違い」のようなもので区別がつかないとしたうえで、今後、同じような形式の訪問が増えると指摘する。

今年5月にヘンリー王子が創設した退役軍人の国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲーム」関連でナイジェリアを訪問したように、初の海外訪問ではない。しかし、国のトップの政治家と密接な調整がなされたのは今回が初めだ。

このコロンビア訪問は、2022年に放送されたNetflixドキュメンタリー「ハリー&メーガン」を見たマルケス副大統領がメーガン妃を招待することを思いついたとイギリスの「テレグラフ」紙が報じている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

シカゴ警察、州兵や連邦軍に協力せず 市長が命令に署

ワールド

インドネシア反政府デモ、大統領が議員手当削減発表で

ワールド

中印が首脳会談、さらなる関係改善で一致 関税巡り足

ワールド

ロのウクライナ攻撃「平和望む立場に疑問」、米が経済
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 5

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 1

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 1

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 2

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:健康長寿の筋トレ入門

特集:健康長寿の筋トレ入門

2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時