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メンタルヘルス

【独占】「難しいけれど、スローダウンする」...カナダ首相夫人が自伝につづった「夫と家庭と心の問題」とは?

Living One’s Best Life

2024年05月30日(木)14時30分
ジェニファー・カニンガム(本誌米国版編集主幹)

ソフィー・トルドー、夫のジャスティンと

夫のジャスティン(右)と(2012年) JEMAL COUNTESS/GETTY IMAGES

精神的な豊かさを重視

さまざまなプレッシャーに耐えて「全てを手に入れる」ために難しい綱渡りを強いられている女性にとって、支え合いは本当に大切だとソフィーは考える。

「目標達成がゴールだなんて考えは捨てよう。母親という存在は家族の要だから、家族全員の心の負担を引き受けるしかない」

アメリカでは放置されたままのメンタルヘルスの問題が仕事を休む最大の理由になっており、そのせいで医療費が膨れ上がり、学校の欠席率も高くなっている。

実際、ギャラップ社の最近の調査によれば、アメリカでは労働者のほぼ5人に1人が自分のメンタルヘルスについて「まあまあ」か「良くない」と回答しており、従業員のメンタルヘルスの問題で生産性に年間約480億ドルの損失が出ているという。

「従業員のメンタルヘルスが改善されれば企業の業績は上がるというデータもある」と、ソフィーは言う。「上司も部下と同じようにメンタルを病んでいる。だから『メンタルの豊かさなくして資本の豊かさなし』なの」

ソフィーの活動を、女優グウィネス・パルトロウが立ち上げたウェルネス系ブランド「グープ」と比較して論じたがる向きもあるが、彼女は意に介さない。

「そんなの、軽く受け流すのが一番。真に受けたら道を踏み外してしまう。ああ、でもグウィネスには商才があるみたい。幸運を祈るわ!」


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 『Closer Together(もっと寄り添って)
 ソフィー・グレゴワール・トルドー/Sophie Grégoire Trudeau[著]
 Random House Canada/PENGUIN[刊]


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