最新記事

英会話

英会話で「本当に英語が身につく」は不可能。だが昔の日本には優れた外国語学習法があった

2022年05月31日(火)16時35分
船津徹

英会話でペラペラになるのはほぼ不可能(写真はイメージ) SonerCdem-iStock

<日本国内で子どもを英語ペラペラに育てるには、これまでの英語学習の常識とは「逆」のアプローチをすればいいのです。すなわち「英会話」をスタートではなく、英語学習の「ゴール」と捉える。日本国内で英語を学ぶなら「聞く、読む、書く、話す」が多いが、これを「読む、書く、聞く、話す」に変えましょう。各々の詳細は.........>

子どもに英語を身につけさせたい、英語ペラペラに育てたい、バイリンガルに育てたい!親であれば誰もが一度は夢見ることでしょう。子どもに英語力という宝を与えることができれば、受験、就職、キャリア形成など、将来の選択肢(可能性)は限りなく広がっていきます。

では子どもにどうやって英語を身につけさせるのか?

その手段として多くの親が考えるのが「英会話」です。

「英会話で生きた英語に触れさせたい」「英会話で綺麗な発音を身につけさせたい」そんな理由で英会話を検討する方は多いと思います。確かに、言語吸収力が高い子ども時代に生きた英語に触れることは効果がありそうです。

しかし、英会話に通わせて「本当に英語が身につく」のでしょうか?みなさんの周りに英会話で英語を身につけたという人はいますか?

英会話でペラペラになるのはほぼ不可能

日常的に英語を使う環境がない日本で子どもを英語ペラペラに育てるのは、途方もなくハードルが高い目標です。これを実現するにはインターナショナルスクールやイマージョンスクールに通い、毎日5〜6時間英語で授業を受け、友だちと英語でコミュニケーションを取り、英語漬けになることが必要です。

「そこまではさせたくない!」「日本の学校に通いながら、できる範囲で英語力も身につけさせたい」という大多数の方が英会話を考えるのだと思いますが、残念ながら、週に1時間、年間50時間程度の英会話では「英語ペラペラ」にはなりません。

私はアメリカで学習塾を経営し、多くの日本人の子どもたちを見てきましたが、英語ペラペラになるには、少なくとも「2年間」はアメリカの学校に通い、英語漬けになることが必要です。時間にすると毎日6時間×180日(年間の授業日数)×2年=2160時間です。英会話スクールでは「圧倒的に英語に浸る時間が少なすぎる」のです。

日本国内で子どもを英語ペラペラに育てるには、これまでの英語学習の常識とは「逆」のアプローチをすればいいのです。すなわち「英会話」をスタートではなく、英語学習の「ゴール」と捉えるのです。

「英語ペラペラ」というゴールにたどりつくためには、まず基礎技能の習得からスタートし、段階的にレベルを上げ、最終的に実践訓練を通して臨機応変な会話力を身につけるというステップを踏むことが大切です。

英語はスポーツの技能習得と同じなのです。たとえばテニスでは、ラケットの握り方を覚え、スイングの方法を覚え、サーブやボレーを覚え、ラリーを繰り返し練習することが不可欠です。基礎技能が身についていないのにいきなりテニスのトーナメントに出ても、試合を楽しめるはずがないのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
今、あなたにオススメ

RANKING

  • 1

    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…

  • 2

    解剖学者「セルライトは消せない」と断言...悪いイメ…

  • 3

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 4

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 5

    最重要は「2度洗い」⁈ SNSで話題のヘアケア「本当の…

  • 1

    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…

  • 2

    出産間近!ヨルダン・ラジワ皇太子妃が「ロングワンピ…

  • 3

    メーガン妃の「狂気的なオーラ」が注目を集める...そ…

  • 4

    酔った勢いで彫った「顔のタトゥーは似合わない」...…

  • 5

    見落とされがちな「女の子のADHD」15の徴候とは?

  • 1

    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…

  • 2

    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…

  • 3

    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…

  • 4

    ルイ王子の「お行儀の悪さ」の原因は「砂糖」だった.…

  • 5

    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプ暗殺未遂

特集:トランプ暗殺未遂

2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃