最新記事

不動産

『ティファニーで朝食を』の、ヘプバーンの部屋に今なら宿泊可能!

Holly’s Room for Rent

2021年11月05日(金)14時47分
レベッカ・フラッド
『ティファニーで朝食を』

『ティファニーで朝食を』の一場面 EVERETT COLLECTION/AFLO

<名作『ティファニーで朝食を』で有名なあのアパートに、今ならレンタルで宿泊することができる>

ニューヨークを舞台にした映画は山ほどある。でも最高に素敵なのは、60年前の『ティファニーで朝食を』だろう。黒い長手袋に純白の真珠の首飾りを着け、髪をきちっとまとめたオードリー・ヘプバーンの姿は、今も世界中の人の記憶に焼き付いている(ちなみに原作はトルーマン・カポーティの小説だ)。

彼女の演じたホリー・ゴライトリーは夢多き奔放な女性で、お相手のポール・バージャクとは山あり谷あり。当時のティファニーに食事スペースはなかったから、彼女にできるのは窓越しにゴージャスな宝石類をのぞくことだけ。ふだんは古めかしいアパートに暮らしていて、その建物に出たり入ったりする場面は何度も映画に登場した。

室内のシーンはハリウッドで撮影されたらしいが、この建物自体はマンハッタンの東71丁目169番地にある。

そしてなんと、今はホリーが住んでいた部屋に泊まれるのだ。扱っているのはバケーション用の会員制賃貸物件サイト「インスピラート」で、もちろん安くはない。しかし、ヘプバーンの気分に浸れる豪華な家具もそろっている。

この業者は建物を「ヘプバーン」と命名し、「アッパーイーストサイドにあるヘプバーンは豪華なベッドルームが4つあるレンガ造りの建物です。この特徴的な外観はある有名な映画で使われました」と紹介している。

1910年に建てられた5階建て住宅で、たくさんの暖炉があり、日光浴のできる部屋もある。床面積は約415平方メートル。バスタブ付きの浴室が4つあり、中庭と2つのテラスにワインセラーと図書室も完備。以前は2世帯が入居できる物件だったが、今は改造されて一棟貸しになっている。

2010年代に740万ドルで販売

この物件は2010年代半ばに売りに出され、740万ドルの値が付いた。競り落とした不動産業者は当時、こう豪語していた。「ニューヨークの住宅街シーンが必要なときは、いつもこの建物が使われる。あの辺りを巡る観光ツアーでも定番の家だ」

インスピラートのサイトによれば、会費月額2500ドルのインスピラート・パス会員なら無料でこの建物に滞在できる。月額600ドルのクラブ会員でも、1泊ごとの追加料金を払えばOKだとか。

今年は『ティファニー』公開60周年の記念すべき年だから、しばらくは満室かも。

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏銀行、資金調達の市場依存が危機時にリスク=

ビジネス

ビットコイン一時9万ドル割れ、リスク志向後退 機関

ビジネス

欧州の銀行、前例のないリスクに備えを ECB警告

ビジネス

ブラジル、仮想通貨の国際決済に課税検討=関係筋
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    【独占】「難しいけれど、スローダウンする」...カナ…

  • 3

    ビーガン食しか出さない保育園 健康な体は作れるの…

  • 4

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 5

    テイラー・スウィフトだけじゃない...多くの女性が標…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 5

    アン王女と「瓜二つ」レディ・ルイーズ・ウィンザーっ…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「エプスタインに襲われた過去」と向き合って声を上…

  • 3

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:世界も「老害」戦争

特集:世界も「老害」戦争

2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に