<疎外されることに敏感な時代に、「演じる」ということとは。ブロンド娘を一喝した『キューティ・ブロンド』でのセリフも健在>

映画『キューティ・ブロンド』で厳しいけれど慕われているロースクールの教授を演じてから20年。ホランド・テイラーがネットフリックスのドラマ『ザ・チェア~私は学科長~』で再び教壇に立った。

今回の彼女のテーマはフェミニズムでなくエイジズム(年齢に対する偏見や差別)。テイラー演じるベテラン大学教授ジョーンは、女性初の学科長に就いたアジア系の若い友人を支える一方で、女性や年齢ゆえの問題に直面する。

「(ジョーンは)声を上げても耳を傾けてもらえない。今の社会は人々が疎外される理由について、ますます敏感になっている」

今年はさらに、報道番組の裏側を描くアップルTV+のドラマ『ザ・モーニングショー』の第2シーズン(9月17日配信開始)にも出演。ネットワーク局の会長を演じる。

「彼女はめったに声を上げない。彼女の発言や判断が、局への至上命令になるという立場だから。その静けさが力でもある」。テイラーに本誌H・アラン・スコットが聞いた。

――『ザ・チェア』のエイジズムの描き方をどう思う?

私の役は、年齢のせいで疎外されるというのがどういうことなのか、私なりに理解する機会を与えてくれた。私は年齢を考えたら、とても恵まれたキャリアを歩いているから。でも、この国に存在するエイジズムの一端は私の周りにたくさんあるし、自分でも経験してきた。

――ジョーンの立場をあなたはどう考えた?

番組のクリエーターのアマンダ・ピートからジョーンという人は周囲の期待に縛られないと説明された。そうした制約を振りほどいた年齢だから、と。それが指針になった。

――『ザ・モーニングショー』ではリース・ウィザースプーンやジェニファー・アニストンのチームに加わった。

私の役目は針を刺すようなもの。突然現れて爆弾を落として去っていく。ドラマにも1カ月半くらい登場しない期間があると思う。途中で『ザ・チェア』の撮影に行って、2カ月半後に戻ったから。

――『キューティ・ブロンド』は今や名作になった。

そこまで特別な作品とは思っていなかったけれど、とてもよくできていた。今でも私のあのセリフを人から言われることがある。

「たった1人の愚かでゲスな男に人生を台無しにされるようなら、あなたは私が思っていたような女の子じゃないのね」(笑)

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