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日本は最低レベル──世界で進む「STEM教育」の重要性

2021年03月10日(水)11時05分
船津徹

理系離れはジェンダーバイアスが原因?

日本人の理系離れがなかなか改善しないという話をよく聞きますが、これを解決するためにも小学校からのSTEM教育がカギを握ります。思考が柔軟な小学校時代にコンピュータースキルを身につけ、最新の科学技術の可能性に触れ、主体的な問題解決プロセスを経験することで「テクノロジーは面白い」「自分もモノ作りや研究に関わってみたい」という気持ちを高めることができます。

同時に日本社会に根強く残る「理系は男子」というジェンダーバイアスを排除し、女子のSTEMへの関心を高める努力が必要です。OECDが集計した「図表で見る教育(Education at a Glance)」によると、自然科学・技術・工学・数学分野を専攻する女子学生の割合が、日本はOECD加盟国の中で最下位でした。

科学やエンジニアリングに興味を持っている女子はたくさんいます。しかし「理系は男子」というバイアスが、学年が上がるにつれ、教師にも、親にも、子どもにも大きくなっていき、それが女子のSTEMへのモチベーションを下げる原因になっているのではないでしょうか。

これからの時代を生き抜く子どもを育てるには「男の子だから」「女の子だから」というジェンダーバイアスに「大人が」とらわれず、一人ひとりの子どもの個性・素質・強みをまっすぐに見つめ、それぞれに合った教育や環境を与えていくことが大切です。


profile_Pic_toru_funatsu.jpg[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。

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