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4割の子どもにできていない「健全な愛着形成」 良い親子関係を作るコツとは?

2020年06月23日(火)16時30分
船津徹

また母親も一人で子育ての重圧を抱え込まずに、父親や周囲の人へ助けを求めてください。ある調査によって日本の母親の7割が「子育てで孤独を感じている」ことが分かっています。子育ては母親一人でするものではありません。周りの助けを借りて、皆で行なうものです。

母親に以下のような兆候がある場合、すぐにパートナー、祖父母、親しい友だちに相談しましょう。それでも改善しない場合は、かかりつけの医師へ相談することを強くお勧めします。

・赤ちゃん(育児)に対して興味が湧かない
・赤ちゃんをかわいいと思えない
・無性に悲しくなり涙がでる
・気持が落ち込み、何もやる気が起きない
・寝不足で体力的にも精神的にも限界を感じる
・いつもイライラしている

スキンシップが極端に少ない日本人

オキシトシンの分泌は、抱っこしたり、膝の上に座らせたり、添い寝したり、手足をマッサージしたり、頭や肩や背中をなでてあげたりという「肌と肌の触れ合い/スキンシップ」によって促進されることが分かっています。

欧米では親子間のハグやキスなどのスキンシップは人間関係を良好に保つための知恵であり文化として浸透しています。子どもが何歳になっても、スキンシップをすることで互いの信頼関係を確認し合っているのです。

日本人は子どもが小さいうちは、授乳、抱っこ、添い寝など、スキンシップが多いのですが、年齢が上がるにつれ親子の肌の触れ合いが減少していきます。特に子どもが小学生以上になると「極端にスキンシップが少なくなる」ことが、日本人の自己肯定感が低い一因ではないかと私は考えています。

多くの日本人は、親子間であっても、人前でキスしたりハグすることに抵抗を感じます。そんな場合は、家の中でスキンシップを増やし、愛情のインプットを積み上げてください。「かわいい◯◯ちゃんが大好き」「◯◯はママの宝物よ」と愛情溢れる言葉をかけながらマッサージしたり、やさしく全身をさすってあげると、子どもは親の愛情を実感し、親子関係が良好になっていきます。

スキンシップは、子どもの脳が活発な日中よりも、副交感神経が優位になる夕方以降が効果的であることが分かっています。子どもが眠くなってきた時、お風呂上がりでリラックスしている時などにマッサージをしてあげると、たとえそれが短時間でも、子どもにしっかりと愛情を伝えることができます。

スキンシップをする時は子どもに注意を向けていないと効果が半減します。例えば母親がスマホを打ちながらおっぱいを飲ませていると、オキシトシンが十分に分泌されず、愛しているメッセージが伝わらないのです。スキンシップ中は子どもに意識を向けることが大切です。子どもの目を見つめるだけでオキシトシンの分泌は促進されます。

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