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子育て

「きょうだい平等」の精神は上の子にとって不平等

2020年03月31日(火)17時20分
船津徹

きょうだいゲンカは愛情の奪い合い

きょうだいは助け合い、同時に、身近なライバルとしてお互いが張り合えるような関係であることが理想です。そのために親が注意すべきは、どちらの子どもが「より愛情を必要としているのか」を見極めることです。そして愛情不足に陥っている方に「愛情の補充」をしてあげてください。

きょうだいはアメ1個で大ゲンカをしますが、これは実は食べ物の争いではなく、親の愛情の奪い合いなのです。その時「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから」と上の子を一方的に叱りつけたりすると、上の子の心は傷つきます。そしてその影響が尾を引き、仲の悪い兄弟に発展することが多いのです。

きょうだいは平等に愛情を注ぐのでなく、その時に一番愛情を必要としている方に集中的に与えることがポイントです。下の子が生まれると、上の子は必ず愛情不足になりますから、親は上の子に「愛情の補充」を心がけてください。

上の子が「妹(弟)ばっかりずるい」と言うのは、下の子が「親の愛情を自分よりもたくさん受けてずるい」「自分が学校に行っている間、ずっとママと一緒にいてずるい!」「ママを独り占めしてずるい!」という意味なのです。

仲の良いきょうだいに育てるコツは?

きょうだいは平等に育てる必要はありません。はっきり区別して育てましょう。親は愛情不足に陥っている方に「愛情の補充」をすること、それぞれの子どもの良い部分(強み)を伸ばすことに目を向けてください。この二つを実践すれば、互いに良い刺激を与え合い、成長し合える関係に育ちます。

最後に、繰り返しになりますが、上の子を下の子の育児に参加させましょう。下の子の世話をすることで、上の子は下の子をごく自然に可愛がるようになります。また下の子は上に助けてもらい、守ってもらい、勉強やスポーツを教えてもらって成長しますから、ごく自然に上の子を尊敬するようになります。この経験の積み重ねが「仲の良いきょうだい」へと発展していくのです。


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