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マンチェスターから来たゴスな波! UKバンドの新鋭「ペール・ウェーブス」インタビュー

Life as ‘Gothy’ Role Models

2019年06月14日(金)17時20分
ケリー・ウィン

VISIONHAUSーCORBIS/GETTY IMAGES

<新鋭バンド「ペール・ウェーブス」の女子組に聞く、運命の出会いとロールモデルであるということ>

コンコン。楽屋をノックすると、勢いよくドアが開いて、厚化粧の女性2人が代わる代わるハグしてくれた。1人が「はい、どうぞ」とビニール袋を差し出す。カラフルなミミズの形をしたグミがたくさん入っている。もう1人のほうは、厚底靴を履いた足を投げ出して、床に座り込んだ。

それが英マンチェスター出身の4人組バンド「ペール・ウェーブス」との出会いだった。男女混成バンドだが、その日はヘザー・バロングレーシー(ボーカル/ギター)とキアラ・ドラン(ドラムス)の女性2人がインタビューに応じた。

バロングレーシーとドランの間には何やらピリピリした空気が漂っている。ドランが「うざい」からだと、バロングレーシーは言う。もちろん本気で怒っているわけではない。2人は前の晩、どこかでライブをした後、ひどく酔っぱらった話をしてくれた。

何という名前の町だったかは、よく覚えていない。「ミネアポリスじゃない?」「あーそうかも」。ゲラゲラゲラ。「でも、す ごくいいコンサートだった」と、バロングレーシーは急に真面目な顔で言った。

ペール・ウェーブスはこの時、やはりマンチェスター出身のポップロックバンド「The 1975(ザ・ナインティーン・セブンティファイブ)」と全米ツアー中だった。2つのバンドはレーベルが同じで、The 1975のフロントマン、マシュー・ヒーリーは、ペール・ウェーブスのデビュー曲のプロデュースを手掛けている。

このためペール・ウェーブスは、「The 1975の妹分」と呼ばれがちだが、本人たちはそのレッテルに不満のようだ。17年にバロングレーシーとヒーリーが著名音楽雑誌の表紙を飾った時に2人の髪型が似ていただけで、音楽性は異なるというのだ。

ポップロックのジャンルはどんどん成長を続けているが、ペール・ウェーブスはゴス(ゴシック・ロック)とポップスをミックスし、さらに女性ならではの視点を取り入れた独特の世界をつくり出している。それは何より、バロングレーシーとドランの強力な友情が可能にしたものだ。

出会った日から一緒に

2人はミレニアル世代らしく、大学のフェイスブックグループで知り合った。たちまち意気投合すると、早速リアルに会ってみることにした。その日、つまり13年9月4日は、2つの理由からバンドにとって歴史的な日になった。

第1に、その日以来、バロングレーシーとドランは1日たりとも離れたことがないほど、いつも行動を共にするようになった(ギターのヒューゴ・シルバーニと、ベースのチャーリー・ウッドが加わったのは15年のことだ)。

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SHIRLAINE FORRESTーWIREIMAGE/GETTY IMAGES

第2に、それからぴったり5年後の18年9月14日、ペール・ウェーブスの記念すべきデビューアルバム『マイ・マインド・メイクス・ノイジーズ』がリリースされた。このアルバムはイギリスのチャートで初登場第8位、米ビルボードの新人アルバムチャートでも初登場第1位を記録するヒット作になった。

さらにペール・ウェーブスはライブにも力を入れており、ツアー続きで引っ越したばかりの自宅に帰る時間もないほどだ。5月に全米ツアーを終えた彼らは、6月から全英ツアーをスタートした。8月には日本にも行く。その合間に、新しいEPも制作しなくてはいけない。現在約20曲が候補に挙がっており、最終的に5〜6曲に絞り込むつもりだ。

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