「本当の自分」を見てほしいのに、そうはいかない美人の辛さ
The Lady Vanishes
認められなかった才能
ベネディクトの小説では、ラマーはこうしたパーティーで、最新兵器を支える科学者たちと知り合いになり、自らの隠れた応用科学の才能を育んでいく。だが、嫉妬深い夫との関係は悪化。1937年には使用人に扮して家を脱出し、パリ、そしてロンドンへと渡る。
そのロンドンで、ラマーは映画会社MGMのルイス・B・メイヤー会長と出会い、名前を変えて、MGMと専属契約を結ぶ。ベネディクトは小説のリサーチをしたとき、映画業界が当時と全く変わっていないことに衝撃を受けたという。

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「ラマーがメイヤーと出会い、ハリウッドに誘われる場面は、ハービー・ワインスティーンのセクハラ疑惑の1つを見ているようだ。今なら一大スキャンダルになってもおかしくない」
だが、ラマーは「自分の美しさは武器だ」と割り切っていたと、ベネディクト語る。その一方で「ルックス以外の自分を見てほしいとも願っていた」。
ラマーは、ハリウッドの華やかだが表面的な生活に満足できずにいた。「自宅で発明にいそしんでいるときが一番充実した時間だった」と、ベネディクトは語る。やがて彼女は、お飾り的な役ばかりのオファーに辟易して、映画界から離れていく。
だが『ジ・オンリー・ウーマン』は、映画女優の物語ではなく、「第二次大戦の物語であり、移民の物語、そして愛国者の物語だ」と、ベネディクトは言う。「ユダヤ人だったラマーは、(ナチスの迫害を)逃れた罪悪感から、対独戦争に貢献しなければと思うようになった」
周波数ホッピング方式は、そんなラマーの情熱と努力の結晶だ。当時アメリカが使っていた魚雷の無線誘導システムは通信妨害を受けやすかった。ラマーの特許技術を使えばこの問題をクリアできただろうが、米海軍は採用を拒否する(理由は不明)。ようやくその価値を見いだしたのは、特許期間が切れた1962年のことだった。
ラマーはその発明の功績を認められて、死去後の2014年に全米発明家殿堂に加えられた。「私は伝記作家ではなく小説家だから、これは想像にすぎないが」と、ベネディクトは言う。
「特許技術の採用を断られたとき、既にラマーの中で何かが死んでしまったのではないか」
[2019年1月29日号掲載]
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