ウィリアム王子のヒーロー、ナチスからユダヤ人家族を守ったプリンセス・アリスの物語
1947年、アリスは息子のフィリップ王配とプリンセス・エリザベスの結婚式に出席するが、イギリス中に反ドイツ感情を汲み、彼女の3人の娘は式典には招待されなかった。
その2年後、アリスはギリシャのティノス島に修道院を建てるが、財政難により長くは続かなかった。
1967年にフィリップ王配が、バッキンガム宮殿で暮らすようアリスを招く。戦時中自らがとった勇敢な行動について、アリスが語ることは一切なかった。それを家族が知るのは、彼女の死後ずっと後のことだ。
1969年に、プリンセス・アリスが逝去。彼女は生前、エルサレムのオリーブ山にある聖マグダラのマリアの教会に埋葬されることを望み、この願いは1988年に叶えられた。
1994年、イスラエルのホロコースト記念館は、アリスに「Righteous among the nations(諸国民の中の正義の人)」という称号を授与した。ユダヤ人を救うためにホロコースト時代に勇敢な行動をとった、非ユダヤ人に贈られる名誉だ。式典に出席したフィリップ王配は「彼女がとったアクション、苦しんでいる仲間を助けることは、彼女にとってはごく自然なことだったはずだ」とスピーチを行い、母親の名誉を讃える木を植えた。チャールズ皇太子も、2016年に賛辞を送っている。
プリンセス・アリスに関する本を執筆した王室の歴史家ヒューゴ・ビッカーズは、今回のウィリアムの中東訪問について「父と祖父の足跡を辿っているようだ」と言った。ウィリアムの曾祖母と母親であるダイアナ元妃を重ね「どちらも、貧しい人と病気の人、老人にも若者にも優しい人だった」振り返ったと、英ミラー紙は伝える。
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