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地ビール男爵に乾杯!

2010年7月9日(金)13時02分
ジョシュ・ハイアット

嫉妬は発酵して称賛に

 発売から6週間後、サミュエル・アダムズはグレートアメリカン・ビア・フェスティバルで金賞に輝いた。クックが票と引き換えに入場券を無料で配ったという噂がすぐに広まったと、ブルックリン・ブルワリーの醸造責任者ガレット・オリバーは語る。

 しかし嫉妬は発酵して称賛に変わっていったと、オリバーは言う。「口には出さないが、われわれは彼から多くのことを学んできた」

 現在61歳のクックは、ビールを造り始めた頃に父から言われた言葉に忠実であろうとしている──「人はマーケティングを飲むのではない。ビールを飲む」。

 今も年1回、ドイツのバイエルンを訪れ、会社で使っている高品質のホップを手で摘む。「ビールを飲むアメリカ人に最高の1杯を提供できる自信があった。市場がどこまで大きくなるのか、どんな問題が待っているのかは分からなかったけれど、自分が最高のビールを造れることは分かっていた」

 小さな地ビールメーカーが大きなことを成し遂げた。

[2010年6月 9日号掲載]

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