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印刷は「エコじゃない」という誤解を覆せ...研文社が東京・神楽坂の新ギャラリーに込めた想い

2025年12月10日(水)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

最新の印刷技術を体験できるスペースも

このように研文社は、環境に配慮した印刷、「つくる責任 つかう責任」の実践と教育、「誰一人取り残さない」ユニバーサルコミュニケーションデザインなどに取り組んできた。もう1つ注目されるのは、SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」にも資する新拠点の開設だ。

2025年1月に、印刷文化の形成を目的とした新拠点「神楽坂 HAKKEN Lab.」をオープン。印刷関連企業やアートスペースが集まる文化的エリアである東京・神楽坂において、紙や箔、最新印刷技術を体感できるギャラリースペースを運営している。

2024年11月のプレオープンイベントでは、金箔などの箔押し印刷素材の老舗メーカーである村田金箔とコラボレーション。元来はBtoB中心の業界にもかかわらず、「箔マニア」の間で話題になり、一般客の来場率が30%を超えたという。

「神楽坂」「箔」「発見」「研文社」の4つの意味を込めて命名したこの施設は、触感・視認性・信頼性といった印刷の本質的価値を再認識する場所だ。

「従来の工場見学とは一線を画し、これまでのお客様はもちろん、地域の人たちも気軽に立ち寄れるギャラリースペースとして好評をいただき、今まで接点のなかった人たちとの接点も創出できました」と、マーケティング課の川口学次長は言う。「地域や多くの企業との接点を創出する場にし、印刷業界の発展に寄与していきたい」

神楽坂 HAKKEN Lab.の展示

神楽坂 HAKKEN Lab.の展示


ただし、現時点でこうしたSDGs活動は一部の部署や担当者に依存しており、全社的な取り組みへの発展が今後の課題だ。

川口氏は「『全員参加型』に昇華できなければ、『会社風土』にはなり得ません。今後は一部の部署・運営メンバー以外も活動に参加しやすい雰囲気づくりや機会創造を図っていきたいと考えています」と語る。

研文社は、印刷業という「環境負荷が高い」とされる産業の中で、その責任と可能性を真正面から見据え、地域密着型企業として社会とともに歩む姿勢を強めている。

その文化的・技術的イノベーションは、印刷が単なる「紙に刷る技術」ではなく、未来をデザインする力であることを物語っている。

◇ ◇ ◇


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どの企業も試行錯誤しながら、SDGsの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。

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