最新記事
健康

マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわたり阻害する可能性...有害物質への警鐘【最新研究】

Microplastics May Block Blood Flow in the Brain

2025年2月1日(土)09時25分
ハティ・ウィルモス

今回の研究では、マイクロプラスチック、小型(smaller)マイクロプラスチック、ナノプラスチックという3種類の異なるサイズのプラスチック粒子を、生後8週間のオスのマウスに投与した。投与量は、ヒトがさらされる可能性のあるレベルで設定された。

マウスの体内で何が起きているかを追跡するために各プラスチック粒子に蛍光色が付け、特殊な技術によって脳血管を撮影し、マイクロプラスチックの動きが追跡された。その後、血液サンプルを採取し、マイクロプラスチックが血流中の細胞とどのように相互作用したかを分析した。

また、記憶、運動能力、探索行動、持久力に対する影響を調べるために、マウスの行動実験も行った。

その結果、マイクロプラスチックが(感染や異物と戦う)免疫細胞に吸収されることが判明した。また、免疫細胞のサイズや形状が変化し、細小血管が詰まりやすくなることもわかった。

特に、大きめのマイクロプラスチックが極めて細い血管である毛細血管で詰まり、脳内の血流を長時間にわたって阻害する可能性があることが判明。マイクロプラスチックが投与されてからわずか30分後には、マウスの脳の血流が阻害されることが確認された。

さらに、行動にも変化が見られた。マイクロプラスチックを投与されたマウスの記憶力、運動能力、速度、運動技能、そして持久力が低下することが観察された。これらの問題の多くは、実験の4週間後に改善が見られたが、一部の血管の詰まりは残ったままであった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は5日ぶり反落、米FOMC前の調整で 一時

ワールド

マクロスコープ:自民総裁選、問われる野党戦略 小泉

ビジネス

英CPI、8月は前年比+3.8% 予想と一致

ビジネス

午後3時のドルは146円半ばで上値重い、米FOMC
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中