制作陣の強い思いと欲求が詰まった映画『ザ・ブライド!』...怪物が目覚めさせた生への狂気
A Monster of a Movie
クリスチャン・ベール演じるフランケンシュタインの怪物(今や100歳を超えている)は、死んだ組織を「再生させる」方法を研究する科学者を探し回る。彼は実験用白衣を着た女性(アネット・ベニング)を訪ね、ユーフォロニウス博士の居場所を知らないかと聞く(そのオチは中学生でも分かる)。
一方で、ギレンホールはヒロインに何回も「ミー・トゥー(私も)!」と絶叫させて政治的な文脈を隠そうとしない。もう我慢しない、今こそ私たち(女性)が声を上げる時だ、と。
ヒロイン役のジェシー・バックリーが肩に力が入った演技を披露し続けるのは、ギレンホールの意向だったに違いない。夜遊び好きの世知にたけた若いヒロインを演じても、1人2役で上流階級出身のシェリーの亡霊を演じても、バックリーはとことんベタな演技に終始している。
映画の序盤でヒロインのイーダは、バーでマフィアのボスの悪行について声高に話しているとき、マフィアの下っ端2人組に外へ連れ出されそうになる。その際に階段から転げ落ちて首と脚の骨が折れて死亡する。
ギレンホールはこの転落シーンをスローモーションで描き、緊迫感を高める。しかし、この映画で女性がこうした激しい暴力を振るわれる様子が描かれるのは、この転落のシーンが最後だ。女性の登場人物の大半は何らかの形で男性に痛め付けられるが、ギレンホールはそれを詳細に描くことを避けている。





