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ピアニスト辻󠄀井伸行さんインタビュー「ストレスフリーな状態と良質な睡眠が集中力を養う」

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2021年10月1日(金)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ 広告制作チーム
ピアニスト辻井伸行さん

「よく食べて、よく寝て、運動もするよう心掛けています」と健康管理の大切さを語る辻󠄀井さん。

<幼少の頃からピアノの才能に恵まれ、言葉を覚えるよりも先に音楽で表現することが得意だったという辻󠄀井伸行さん。辻󠄀井さんは小眼球症で、生まれつき全盲の視覚障がいがあります。ですが、好奇心の赴くままにさまざまなことに挑戦し、ピアノにおいても果敢に大舞台に挑んでは、着実にプロの道を切り拓いてきました。そんな辻󠄀井さんが今、プロとして思うこと、そして挑戦したいこととは──?>

無謀に思えた17歳の挑戦が4年後の大舞台での快挙に

小さな頃からピアノが大好きで、物心つく前からピアノはもう自分の体の一部のような存在でした。ピアニストに憧れたのは、小学校に入学した頃。小学5年生でピティナ・ピアノコンペティションに優勝し、「絶対にピアニストとして活躍する」と決意しました。

2005年、17歳の時にショパン国際ピアノ・コンクールに参加しました。ピアノの先生には「まだ早い」と止められましたが、僕は入賞を狙うことよりも、とにかく大好きなショパンの生まれた土地で演奏してみたかったんです。セミファイナルでは、納得のいく演奏ができ、ポーランドのお客さまも本当に喜んでくださいました。ですが、ファイナリストに選ばれることはなく、非常に悔しい思いをしました。ただ、そうした悔しさもいつかは経験しなければいけないものです。コンクールの難しさも知り、この時の挑戦が4年後のヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールの優勝につながったと思っています。

ヴァン・クライバーン・コンクールは、仕上げなければいけない曲があまりに多く、死ぬ気で練習しました。その結果、本番ではアメリカの人たちの温かいホスピタリティにも助けられ、心から楽しんで弾くことができました。優勝でき、思い切って参加して本当に良かったと思っています。

ヴァン・クライバーン・コンクールで優勝した辻󠄀井伸行さん

挑戦の積み重ねによって磨かれた唯一無二の表現力

僕は「できない」ことがすごく悔しいんです。負けず嫌いなので、できるまで練習して、達成感を得たい。ですから、何にでも挑戦しますし、悩む時間があるなら、今すぐ行動に移したほうがいいと考えます。そうした前向きな性格は、母に似たのだと思います。母は本当に明るくポジティブで、僕にいろいろな経験をさせてくれました。スキーや登山、乗馬もしましたし、美術館や花火にも連れて行ってもらいました。そんなふうに経験し、感じたことは、音楽の表現において大きなプラスとなっています。

気持ちの切り替えも早く、ストレスやプレッシャーを感じることもあまりありません。とはいえ、プロとしての緊張感は常にあります。公演に穴を開けられないのはもちろん、最高のパフォーマンスを発揮するためには、万全の状態で臨まなければなりません。また、どれほど準備をしても、ピアニストは自分の楽器を持っていけませんし、環境の良いホールばかりとも限りません。どんな状況であっても、良い演奏を届けられる対応力も必要です。一回一回が本当に勝負なんです。    

お客様の様子は、空気感でわかります。集中して聴いてくださっている時は、張り詰めた空気を感じますし、音楽と一体になって乗ってくださっている時は僕も楽しんで演奏しています。また、その場の雰囲気から、思いもつかなかったアイデアが湧いてくることもあります。準備が大変であっても、ものすごく集中して疲れても、お客様の拍手を浴びる時は本当に幸せな瞬間です。それが「また頑張ろう」という力につながっています。

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