理由は米関税だけではない...自動車業界は「リスクに直面」と欧米大手ステランティス会長
欧米自動車大手ステランティスのジョン・エルカン会長は15日、激化する中国との競争や米政権の関税措置、欧州連合(EU)の排ガス規制によって自動車メーカーはリスクに直面していると述べた。3月撮影(2025年 ロイター/Yara Nardi)
欧米自動車大手ステランティスのジョン・エルカン会長は15日、激化する中国との競争や米政権の関税措置、欧州連合(EU)の排ガス規制によって自動車メーカーはリスクに直面していると述べた。
エルカン氏は株主総会で「痛みを伴う関税措置と過度に厳格な規制という現在の流れにより、米国と欧州の自動車産業はリスクに直面している」とした上で、「雇用、革新、強固な社会の源泉である自動車製造にとって悲劇的だ」との見方を示した。
エルカン氏は「中国は別の軌道に乗っている」と指摘。中国の自動車市場は、米国と欧州を合わせた規模を初めて上回ると見込まれている。
エルカン氏は、米国では、自動車メーカーは輸入自動車に対する25%の関税のほか、「アルミニウムや鉄鋼、部品など幾重もの追加関税」に直面していると指摘した。ただ、トランプ米大統領が14日、メキシコやカナダなどからの自動車・部品輸入について何らかの関税猶予を検討していると明らかにしたことは心強いと語った。
EUの二酸化炭素(CO2)排出規制に関しては、「市場の現実とかけ離れた、非現実的な電動化への道筋」を強いるものだと主張した。
エルカン氏は、カルロス・タバレス氏が昨年退任した後の最高経営責任者(CEO)を探しながらグループの舵取りをしている。
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