最新記事
日本企業

そごう・西武ストが企業買収に波紋 従業員の理解も留意点になるのか?

2023年8月31日(木)13時14分
ロイター

売却回避しても雇用維持は......

日本では、事前に労使間で話し合いが行われることが多く、大規模なストは回避されてきた。厚生労働省の統計によると、ストの実施件数は1991年に3桁台へ、2009年に2桁台へと急激に減少し、22年は65件にとどまっている。

それだけに今回のストは大きな注目を集めているが、売却の流れを変えるまでには至っていない。セブン&アイHDは31日に臨時取締役会を開き、9月1日付でフォートレスに売却することを決める。

そごう・西武は最終赤字が4期続いている。売却を先送りしても、業績が改善して営業を続けることができ、雇用が維持される保証はない。ある流通関係者は「百貨店という曲がり角を迎えている業態。雇用維持など訴えたいことは分かるが、落としどころが見えないストにも映る」と話す。

そごう・西武労組がスト通知を発表した記者会見に高島屋など同業百貨店の労組が支援を表明したのも、不透明な業界の先行きに同じ悩みを抱えているからと言える。

千葉大学の皆川宏之教授は「事業再編は世界的に行われており、雇用維持や労働条件の向上のためにスト権利を行使して交渉する局面は今後もあるのだろう」とみる。「(そごう・西武の)組合としてはやれることはやって、要求を伝えて反映させることには意味がある」と語る。

(清水律子、金子かおり、Rocky Swift、勝村真理子 編集:久保信博)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EUのロシア産原油輸入停止法制化案、ハンガリー議会

ワールド

トランプ氏、一般教書演説で「強く繁栄する米国」強調

ワールド

米政府、インドなどアジア3カ国の太陽光製品に暫定的

ワールド

国連総会、ウクライナ支持決議を採択 米は「交渉の妨
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 8
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 9
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中