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中小企業こそ新しいサステナブルビジネスを 現地に調和する「日本型グローバル展開」が強みに

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2022年2月21日(月)11時00分
ニューズウィーク日本版広告制作チーム

株式会社ユーグレナ出雲充社長

中澤 ユーグレナ社はバングラデシュへの支援活動を始めてからもう8年ですが、この間、大変なこともあったのではないでしょうか。最近では新型コロナウイルス感染症による影響はありましたか?

出雲 大変なことしかありませんでした。お察しのとおり新型コロナウイルス感染症による影響は非常に大きいです。コロナの流行やそれに伴う強力なロックダウン(都市封鎖)によって、食料不足や価格の高騰など、問題は次々と起こりました。コロナ禍以前は、1日1袋子どもたちが登校する際に配布していたクッキーも、ロックダウンによる学校閉鎖で配布が難しくなりました。そうした中で、どうすれば彼らに栄養を届けることができるのかを考えました。ロックダウンの間学校は休校しますが、自宅学習用の宿題を提出するために2週間に1回登校する機会があります。そこで、私たちは2週間に1回の登校時に、15日分のクッキーをまとめて渡せないかと考えました。

中澤 手間がかかる作業を誰が引き受けてくれたのですか。

出雲 これまでユーグレナクッキーを配布している学校に頼んだら、最初は「感染予防措置が維持できないから配れない」と言われたんです。でも、「ユーグレナ社はバングラデシュの子どもたちに何とか栄養を届けるためにアイデアを出してくれている。一緒にやろうじゃないか」と休校中にもかかわらず、先生たちは自ら進んでクッキーを配布する業務を引き受けてくださったのです。コロナ禍でのプロジェクトは本当に大変ですが、こうした現地の方々との思いのつながりは、我々の誇りです。

中澤 ユーグレナ社が培ってきた日頃の信頼がこうした形で出てくるのは、非常に嬉しいことですね。

出雲 欧州の国際機関はアジアへの関心があまり高くないところも多いです。日本のベンチャー企業や中小企業には、JICAにサポートしてもらって、アジア、ASEANの国で活躍してほしい。お互いにいいことがたくさんあるはずです。

中澤 途上国での日本企業の活躍は、JICAの現地での活動と相乗効果があります。これらがひいては、日本のブランド力を高めていくことにつながっていると思います。

ユーグレナ社がJICAとの連携事業で実施している「ユーグレナGENKIプログラム」

 
栄養豊富なユーグレナ入りクッキーを食べるバングラデシュの子どもたちユーグレナGENKIプログラムで配布しているユーグレナ入りクッキー(1袋6枚入り)コロナ禍でのユーグレナ入りクッキー配布の様子(ロンプール)学校での食育授業の様子


現地に調和する"日本型グローバル展開"は持続可能なビジネスのヒントに

JICA中澤慶一郎理事

中澤 出雲社長の著書『サステナブルビジネス』の中で、非常に面白いなと感じた部分があります。欧米は、中核的な理念や価値があり、それをグローバルに展開していく。自分たちがやっていることが一番いいから、そのまま使ってくださいという「演繹的なアプローチ」をしていると本の中で書かれています。

出雲 一方で、日本のアプローチは帰納的です。

中澤 おっしゃる通りだと感じることはよくあります。例えて言えば、現地の歴史や文化で既に色付けされているキャンバスに、新しい絵の具、すなわち新しい考え方や技術をどうやって調和させてゆくかを、日本企業は現地の人々と一緒に一生懸命に考えようとする。 画一的にグローバルに展開するのではなく、その土地ならではの事情を踏まえてグローカルに展開していくところは、日本企業のいいところなのではないかと思います。

出雲 サステナブルな経営というと、日本企業はよく投資の判断は遅いけれども、一度投資したら雇用を守り、何とか歯を食いしばって現地化をして、長くそこで仕事をしていこうとすると言われる。ダメになったらすぐに撤退というのではなく、長期的に続けていきたいという思いが我々にもあります。

中澤 日本企業には昔から「三方よし」の考え方があります。途上国の人材を育て、長く現地で仕事をしてゆくことは、商売上の短期的なメリットを超えて、途上国の地域や社会への長期的な貢献にもつながり、それが商売繁盛にもつながってゆくと思います。

出雲 これからの資本主義は、長期の視点視座に企業が立てるかどうかが重要だと思います。企業が社会的責任を果たしていくためには、短期的な視点ではダメ。そういう会社は、いずれ優秀な若者が来なくなる。目先の利益ばかりを追い続けると、結果として自分の首を絞めることになっていくはずです。

――出雲社長は、日本のミレニアル世代以降の人々(1980年以降に生まれた人)が生産年齢人口(15歳〜64歳)の過半数を占める2025年を境に、これまでの金融資本主義的価値観から、サステナビリティ的価値観に主流が変わり、持続可能な社会へと世界が大きく変化すると予想している。

中澤 ユーグレナ社は2021年に定款をSDGsの17の目標を反映した内容に全面刷新されていますね。企業のフィロソフィーである「Sustainability First」の実効性を法的側面からも高めたのですね。

出雲 私は世界経済フォーラム(ダボス会議)のヤンググローバルリーダーを務めていますが、そこで今一番力を入れて発信しているのが、従来の金融資本主義をどうやってアップデートしていくかというものです。岸田総理が「新しい資本主義実現会議」を、経団連でも「サステナブルな資本主義」を掲げているように、これまでの資本主義の急所が短期志向だということに気付き、世代を超えて認識されている証拠だと思います。

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