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コンサルタントとして伝えたい、「価値」を生み出すことの意義。

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2021年3月9日(火)11時00分
文・西山亨 写真・野田真

最新刊に込めたのは、未来を生き抜く思考法。

株式会社REMSLILA代表の船ヶ山 哲氏マーケティングコンサルタントとして、億単位のビジネスを展開するだけでなく、テレビやラジオのパーソナリティとしても活躍する船ヶ山氏は、書籍を中心とした執筆活動にも力を入れているが、なぜか。

「起業した当時、コンサルタントとしては比較的若く、50~60代の社長さんを相手に営業をしても実績が少ないため、なかなか信用していただけませんでした。そこで考えたのが、集客の方法をまとめた本を出すこと。出版活動を実績とし、信用を積み重ねていこうと考えたのです。全国の書店に流通する書籍は、出版社しか出すことができない。そして信頼感のあるメディアである書籍の著者という、パブリックなポジションを獲得できる。さらに、未来の子供達にもメッセージとして残すこともできる」。

毎年1~2冊のペースで起業や副業などをテーマに出版し続けており、このたび10冊目となる著作『10歳から始める!起業家になるための「7つのレッスン」』を刊行した。子供を起業家に育てるための教育方法についてまとめたものだが、出版の狙いはどこにあったのか。

「長男が10歳を迎えるタイミングでしたが、私は子供たちに多数の選択肢を与えたいと思っています。その一つが起業家という選択肢。自分の子供には、起業家になるための考え方が身に着くように、年齢に応じた教育をしてきましたが、その考えをまとめたのが、今回の書籍です」。

newsweek_funagayama_books.pngこの本には好きなことを見つけることや、体験や観察することなどの重要性が述べられているが、軸になっているテーマは"自立"だ。終身雇用や年功序列などの制度を、企業がこれまで通りに維持するのが難しくなり、今や一流大学を卒業して大企業に就職しても一生安泰は保証されない時代。さらに、年金年制度さえ危ぶまれている中、船ヶ山氏は会社や国に依存しない自立した生き方こそが重要だと説く。

「自分の力だけで稼ぐことができることが自立なので、日本での自立の定義は世界を基準にすると低いといわざるをえません。私がカナダに住んでいるのは、子供が世界レベルの考え方を知って、世界で通用する人間になってほしいから。子供が大人になった頃には、ベンチャーや個人で活躍する人が増えるなど、会社員ではない働き方が増えているはず。そんな働き方を早い段階から理解させておけば、子供は自立が求められる社会に順応しやすくなる」。

子供のための教育本ではあるが、ビジネスパーソンが読んでも役立つ内容になっている点も興味深い。これまで多くの人達に、起業に関するアドバイスを行ってきた実績をベースにその内容を体系化。自立する最初の一歩から起業の基本となるものすべてを網羅している。マーケティングの思考に基づいた新しい価値を生み出す教えは、本当の意味で自立するための入口となり、会社員であっても組織に頼らずに生きていくことへの一助になるだろう。

先を見通し行動を起こす勇気、軌道修正する調整力、フラットに世相を見渡すバランス感覚。船ヶ山氏へのインタビューを通して感じられたスキルや感覚は、今、そして、これからの時代に求められている。

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