最新記事

M&A

米ゼロックス、総額約3.6兆円でヒューレットパッカードに買収提案か

2019年11月7日(木)10時00分

複数の関係筋によると、米事務機器大手・ゼロックスは、米パソコン大手HPに対して買収提案を行った。写真は3月11日、NYSEで撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

複数の関係筋によると、米事務機器大手・ゼロックスは、米パソコン大手HPに対して買収提案を行った。現金と株式交換の組み合わせによる買収で、買収額は約330億ドルと、ゼロックスの時価総額の3倍以上となる。

HPは買収提案を受けたことは認めたが、買収額は明らかにしていない。両社はこれまで何度か提携を模索してきた。HPは声明で「全ての株主の最大利益を重視して」ゼロックスの最新提案を検討すると発表した。

関係筋によると、ゼロックスはHPに対して、HP株1株に対して現金と株式交換の組み合わせで22─23ドル支払うことを提案。ゼロックスは、シティグループから資金調達の了解を得ているという。

関係筋の1人によると、ゼロックスは、コスト面で少なくとも年間20億ドルの相乗効果が見込まれると期待している。別の関係筋によると、HPは今後数日、買収案を検討し、回答する見通し。

ゼロックスとシティグループは、ロイターからのコメント要請に回答していない。ゼロックスのHPへの買収提案は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報じた。

HP株は6日の米株式市場で6.4%高の19.57ドルで引けた。ゼロックス株は3.6%高の37.66ドルで終了。この終値に基づくと、同社の時価総額は83億ドル。

HPはプリンター部門が低迷。第3・四半期の同部門の収入は前年比で5%減少した。

同社は10月、コスト削減の一環で最大9000人を削減する計画を発表した。

ゼロックスは5日、富士フイルムホールディングスとの合弁会社、富士ゼロックスの株式25%を23億ドルで売却すると発表した。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191112issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月12日号(11月6日発売)は「危ないIoT」特集。おもちゃがハッキングされる!? 室温調整器が盗聴される!? 自動車が暴走する!? ネットにつなげて外から操作できる便利なスマート家電。そのセキュリティーはここまで脆弱だった。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中