最新記事

金融政策

米FRB利上げ決定、低金利確約する文言削除 年内にさらに2回予定

2018年6月14日(木)08時00分

6月13日、米FRBは25bpの利上げを決めた。写真はワシントンのFRBで2014年10月撮影(2018年 ロイター/Gary Cameron)

米連邦準備理事会(FRB)は13日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.75─2.00%とすることを全会一致で決定した。

今年についてはあと2回、合計4回の利上げを予測しているとした。3月に示した前回予想では年内は合計3回の利上げを予測しているとしていた。

2019年については3回の利上げを予想。前回予想から変更はなかった。

今回のFOMC声明でFRBは、景気刺激に向け金利を十分に低い水準にとどめると確約する文言を削除。少なくとも2020年までインフレ率が目標を上回ることを容認する姿勢も示した。

今回の利上げはおおむね予想通りだったが、 2007─09年の金融危機とこれに続く景気後退(リセッション)に対応するための措置からの脱却との意味では一里塚になったと言える。

今回発表された最新の経済見通しでは、インフレ率は今年は2.1%と、FRBが目標に掲げる2%を上回るとの予想も提示。FRBは景気拡大と雇用増が続く中、2015年終盤から7回の利上げを実施しており、これまでのFOMC声明の文言は時代遅れのものとなっていた。

パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、「米経済は非常に良好」との認識を表明。「職探しをしている人の大部分が就職できる状況になっている。失業とインフレは低水準にあり、成長を巡る全般的な見通しは引き続き良好だ」とし、雇用と物価を巡る目標がおおむね達成される、いわゆるスイートスポットにFRBが近づく中、安定的に利上げを継続することで景気拡大を育むことができるとの見方を示した。

パウエル議長はまた、FRBが来年から毎回のFOMC後に記者会見を開くことも発表。現在はFOMC後の議長会見は年4回だが、2019年は8回に増えることになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB利下げ「良い第一歩」、幅広い合意= ハセット

ビジネス

米新規失業保険申請、3.3万件減の23.1万件 予

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 8
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 9
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 10
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中