最新記事

ジャガー

高級車成功のカギはインド現地生産

大きな成長を見せるインドの高級車市場でジャガーランドローバーはインド現地生産で勝負する

2013年1月23日(水)16時03分
ダニエル・デファライア

高級車志向 自動車市場は伸び悩んでいるが高級車だけは別(写真はフリーランダー2) Danish Siddiqui-Reuters

 インドのタタ・モーターズが所有するジャガーランドローバーは22日、ジャガーをインド国内で製造すると発表した。

 高級車のジャガーをインド国内で生産することで、ダイムラーやBMW、アウディなど現地生産の他の高級車に対抗する狙いとみられる。インドでの現地生産は税金が大幅に安くなる。工場は東部のマハラシュトラ州プーナになる予定だ。

 インドのジャガーランドローバーのローヒト・スーリ副社長は、「インドでもっとも売れているフリーランダー2とジャガーXFを生産することになる」と発表。

 スーリはさらに、「ジャガーXFはスポーツカー並みの性能と高級セダン並みの質感と今日的なスタイルで、顧客の間でかなり人気が高い」

 インドにジャガーの生産の一部を移すことで、タタ・モーターズは国内で盛り上がる高級車市場のブームに乗ろうしている。BMWからフェラーリまで、インドの高級車市場は今、世界の高級車メーカーの注目の的だ。

30%成長の高級車市場

 ジャガーは現地生産にシフトすることで、顧客は約60%の輸入税が免税になり、ジャガーの競争力はさらに高まると言う。

 ただし、インド生産で製造コストが下がった分を生かして他の市場でも利益を出せるかどうかはまだ未知数だ。

 他の自動車メーカーもインドで大きく方向転換をしている。

 アウディ・インディアのミヒャエル・ペルシュケ社長は22日、インドのビジネス・スタンダード紙にこう語った。


 2013年はインドのアウディにとって重要な年になる。製造や物流網の面でいくつかの新たな試みを発表する予定だ。2013年の最初の月で、私たちはすでにアウディQ5を発表し、また新しいアウディR8の発表でインドのスーパースポーツカー部門におけるリーダーの地位をさらに強化できるだろう。


 インドの高級車市場は2012年に30%という大きく成長している。ただし自動車全体の成長率が鈍っているおかげで、BMWとメルセデス・ベンツは高級車市場の成長の恩恵に浴していないといわれる。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    拡散中のハリス副大統領「ぎこちないスピーチ映像」…
  • 9
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中