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「復活」したリーマンの主たる業務

史上最大の経営破綻から3年半、破産法手続きから脱却した銀行を待つもの

2012年3月8日(木)15時09分
サマンサ・スタインバーン

破滅の日 リーマン・ショック当時に2万5000人いた社員は今は433人に Joshua Lott-ReutersQ

 連邦破産法11条の適用申請をして破綻してから3年半、かつての米投資銀行大手リーマン・ブラザーズは6日、破産法手続きから脱却したと発表した。

 米金融不安のただ中で史上最大の破産を遂げて金融危機に火を付けて以来、リーマンは訴訟対応の弁護士や事業整理のコンサルタントに16憶ドル近い費用をかけてきたと、CNNは報じる。

 今、リーマンの主たる業務は650憶ドルの資金を債権者や投資家に返済すること。リーマンが破産したときの負債額は6130憶ドルなので、それに比べれば微々たる額だ。

 破産当時の2万5000人から約433人まで減らされた社員が、その返済業務に当たっている。それが終われば会社は清算されるという。

「破産を申請した日から、ひたすら資産を売却して現金化してきた」と、リーマンの破産管財人を務めるスティーブン・コーンはCNNに語った。「ありとあらゆる資産をかき集めて、破産当時の文無し状態から何とか約300憶ドルの資金を捻出したところだ」

 総額約100憶ドルの最初の債務返済は、4月半ばに行われる予定だ。

GlobalPost.com特約

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