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日本株が魅力的な理由

2009年8月26日(水)15時04分
バートン・ビッグズ(ヘッジファンド「トラクシス・パートナーズ」マネジングパートナー)

 政治的には日本は激動期に差し掛かっているようだ。第二次大戦以降の日本の舵取りをしてきたのは主に自民党だが、経済は「奇跡」から「惨事」へと変わり、国民はうんざりしている。世論調査によると、8月30日に行われる総選挙では、自民党が惨敗して民主党が政権に就く可能性がある。

 民主党は少なくとも日本に新風を吹き込んでくれるだろうが、弱点もある。党内の3つの主要グループは公務員制度改革と農政改革、労働者保護の改善を目指すことでは合意しているが、外交方針では意見が割れている。財政赤字をさらに積み増す自民党の景気刺激策を批判してはいるが、赤字や生産性、消費者の消極性といった問題を解決する方策については明らかにしていない。

 総選挙後に民主党が政権を握ったとしても、それを維持するためには、景気を回復させて株式市場を活気づける必要がある。

 民主党は無意味な橋を建設するより、高速道路の無料化などによって一般世帯が自由に使える所得を増やそうと考えているようだ。日本人が支出に前向きになれば、日本株の奪い合いが始まる可能性がある。

 そうなる前に日本株を買っておいたほうが賢明かもしれない。

[2009年8月 5日号掲載]

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現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

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