コラム

英国モッズ、半世紀経ってもまだクール?

2010年04月16日(金)17時05分

first-pic.jpg
Phil and Steph, London, 2001 © Horst A. Friedrichs

「本物のモッズって、そうなろうとしてなるものじゃなくて、あっ、自分はモッズなんだって気づくものなの。それにモッズは単なるファッション哲学じゃなくて、自分がどう感じるか、自分を他人にどう伝え、どう振る舞うかということ。魂の問題なのよ。」
エイミー(写真集『I'm One: 21st Century Mods』より)

1960年代にタイムスリップしたかのような写真が撮影されたのは、今世紀に入ってからだ。東京のライカ銀座店2階サロンで開催されている写真展「I'm One: 21st Century Mods」では、写真家ホルスト・A・フリードリヒが12年にわたって切り取ってきた現代に息づくモッズ・シーンのライブ感に溢れた写真が展示されている(6月13日まで)。

2Scooter-cruise.jpg
Scooter cruise, London, 2005 © Horst A. Friedrichs

3Weston-super-Mare.jpg
Weston-super-Mare, Easter Bank Holiday, 2002 © Horst A. Friedrichs

撮影を始めたきっかけは、フランクフルト出身のフリードリヒが1997年にロンドンへ拠点を移した際に「ドイツの友達がモッズだったので、イギリスのモッズシーンに興味があって調べていたら、現代モッズ・ムーブメントの中心『ニュー・アンタッチャブルス』を見つけた」からだと言う。

 被写体は、白髪の元祖モッズ、90年代のブラーやオアシスの音楽をきっかけにモッズ・カルチャーに興味を持った世代、さらに若い信奉者たちなどで、その年齢層の広さに驚かされるが、『ニュー・アンタッチャブルス』のリーダー的存在ロブ・ヘイリーは「モッズのすごいところは、いくつになろうがモッズでいられるところだ。センスがよくてスマートで時代によって自己変革も続けてきた。40歳なら40歳なりのモッズがある」と写真集で語っている。

 写真展をきっかけに、冒頭のエイミーのように「自分がモッズなんだ」と気づくかも知れない。

――編集部・片岡英子

このブログの他の記事も読む

プロフィール

ニューズウィーク日本版編集部

ニューズウィーク日本版は1986年に創刊。世界情勢からビジネス、カルチャーまで、日本メディアにはないワールドワイドな視点でニュースを読み解きます。編集部ブログでは編集部員の声をお届けします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story