最新記事

メルマガ限定ページ

ディズニーアニメで言葉を覚えた少年

2017年04月18日(火)18時30分

mailmagSC170419-sub1.jpg

兄ウォルト(左から2人目)の誕生日を家族で祝う Nicholas Hunt/Getty Images for 2016 Nantucket Film Festival


――オーウェンが撮影をやめたいと思ったことはあるか。彼にとってつらい時期もカメラは捉えている。

サスカインド 長期間の撮影で、私たちは撮影隊付きの家族みたいになった。「ロジャーに撮ってほしくない」とオーウェンが言ったことはない。いいときも悪いときもあると覚悟していたが、どれほどつらいことがあるかは予想していなかった。

でも、オーウェンの人生の完全な真実を見せなかったら、自閉症や特別支援が必要な子供たちのことをきちんと理解している人々にとって、何の意味もない映画になると思った。

――今はオーウェンも自立して、独り暮らしをしている。家族みんなの生活はどんな感じ?

サスカインド 映画の公開が終われば、前と同じように人生は続いていくはず。オーウェンは苦労もあれば喜びもあるという感じで、自立の度合いはどんどん高くなっている。

最近何かで読んだが、特別な支援が必要な子供の親は「子供が巣立って寂しい」と思うことがないとか。オーウェンは働いて自分で生活しているけど、私は今でも彼や彼のケースマネジャーとよく連絡を取っている。

新しい彼女はまだいないけど、彼は頑張って探している。

――オバマケア(医療保険制度改革)は障害のある人々には有益だが、トランプ政権はこれを撤廃しようとしている。不安を感じている?

サスカインド すごく心配している。早期介入や診断、手頃な保険費用という点で、特別支援児の家族はとても助かっているから。特別支援が必要な生徒に関する連邦教育法を骨抜きにしようとしていることも不安だ。

――トランプは大統領選中、障害のあるジャーナリストの姿態をまねてからかった。あの映像を見てどう思ったか。

サスカインド あまりにひどくて激怒した。あんな振る舞いをしようと大統領が考えるなんてあきれた。多様性を認め、いろいろな人を受け入れる方向へこの国は大きな進歩を見せてきた。なのに多くの点で、時計の針が戻ってしまうのではないかと不安だ。他人を笑いものにしていいと自らが行動で示すなんて。私たちの国の指導者として理解に苦しむ。

ウィリアムズ トランプ大統領が示した障害のある人への軽蔑や嘲笑は本当にみっともないもの。オーウェンは学校でいじめられた。そうした行為を奨励するのは恥ずべきことだ。

――続編の可能性はある?

サスカインド 面白いことに、オーウェンはよくこう言う。「ママ、ロジャーが僕について次の映画を撮るときは......」

ウィリアムズ ドキュメンタリー映画製作者でいることの何が素晴らしいかといえば、さまざまな世界を探求し、また別のテーマへと移っていけること。私は今、次の映画に懸命に取り組んでいる。この映画はサスカインド一家や自閉症支援組織、これを教材として使ってくれる人々にもう手渡したよ。

[2017年4月18日号掲載]

mailmagSC170419-sub2.jpg

両親とウィリアムズ監督(右端)と共に ©2016 A&E Television Networks, LLC. All rights reserved.

MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したスーツドレスの「開放的すぎる」着こなしとは?
  • 2
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 9
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 10
    キャサリン妃の「子供たちへの対応」が素晴らしいと…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中