コラム

「ならず者国家」への道なのか...トランプ、国連気候変動条約など66機関から一斉脱退

2026年01月08日(木)16時45分

米国を「ならず者国家」にしようとする政権のアジェンダ

国際NGO、アクションエイド米国のニランジャリ・アメラシンゲ事務局長は 「トランプ政権による国連気候変動枠組条約脱退の意向は米国を『ならず者国家』にしようとする政権のアジェンダの一環として捉えるべきだ」と指摘する。

「いかなる国際ルールにも縛られず、単に最強の力を持っているというだけで、ほしいままに行動する――ベネズエラ大統領拘束から今回の脱退に至るまで一連の行動はこの政権が世界平和と気候正義に対して冷酷な軽蔑を抱いていることを示している」


国連環境計画(UNEP)によると、各国が公約通りNDC(国別削減目標)を実施しても2100年に世界の平均気温上昇は2.3~2.5度、現行政策のままでは最大2.8度上昇する。パリ協定の1.5度目標達成には大胆な削減が求められるが、米国のパリ協定離脱でブレーキがかかる。

「中国への贈り物となり、責任を回避したい国に免罪符を与える」

国際プロジェクト「グローバル・カーボン・プロジェクト」は化石燃料の排出量は昨年、世界で前年比1.1%増えると推計。1.5度までの「炭素予算」の残りは使い尽くされつつあり、残余分は25年排出量の約4倍に相当する170ギガトンとされる。

世界の排出量の32%を占める中国は0.4%の微増。再生可能エネルギーの拡大で石炭消費、二酸化炭素排出はピークアウトの兆しも見える。米国(世界の排出量の13%)は1.9%の大幅増。欧州連合(EU)も0.4%増えたが、人口が減少する日本は2.2%減った。

ジョン・ケリー元米国務長官は「気候危機や国際機関の価値に対するトランプ政権の姿勢は予想通り。中国への贈り物となり、責任を回避したい国や汚染者に免罪符を与えてしまう。世界における自傷行為であり、その代償を払うのは子どもたちだ」と憤った。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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