コラム

どこまで落ちる日本...COP28で不名誉な「化石賞」2回、気候変動対策は世界58位に沈む現状

2023年12月09日(土)17時40分

11位から20位に転落した英国

世界の排出量の8割を占めるG20で高い評価を受けたのはインド、ドイツ(14位)、EU(16位)だけ。最下位サウジアラビアの1人当たりの排出量は着実に増加している。その一方で悪名高きジャイル・ボルソナロ前大統領からルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領に交代したブラジルは15も順位を上げ、23位になった。

ルラ氏は前大統領の問題のあるいくつかの政策を撤回。植林計画や再エネの加速は肯定的に受け止められた。しかし化石燃料の生産を拡大しており、パリ協定目標を達成できない恐れがある。ブルク氏は「ブラジルの動向に期待は持てるが、G20全体として自然エネルギー拡大を大幅に加速し、化石燃料をできるだけ早く段階的に廃止しなければならない」という。

英国は11位から20位に転落。リシ・スナク首相はガソリン車、ディーゼル車の新車販売禁止を30年から5年間先送りするなど、気候変動対策を進めるいくつかの法案を撤回した。「英国で起きていることは私たちが必要としていることとは正反対だ。政府は新たな炭鉱を承認し、北海で何百もの新たな石油・ガス採掘許可を与えた」(ジャーマンウォッチ)

CANインターナショナルのシニアオフィサー、ジャネット・ミロンゴ氏は「化石燃料の最大生産国および輸出国が最悪のパフォーマンスを見せていることを改めて示している。すべての国家は公正、公平かつ迅速な方法で、100%再エネシステムへのスケールアップに向け、すべての努力と資金を集中させるべきだ」と指摘している。

ニューズウィーク日本版 ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月24号(2月17日発売)は「ウクライナ戦争4年 苦境のロシア」特集。帰還兵の暴力、止まらないインフレ。国民は疲弊し、プーチンの足元も揺らぐ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

メキシコとカナダ、鉱物資源・インフラ巡り共同行動計

ワールド

カナダ、USMCA見直しへ新対米貿易交渉担当者を起

ワールド

ロシアの攻撃続く見通し、和平合意困難に=ウ大統領

ワールド

米長官、ハンガリーとの関係「黄金時代」 オルバン氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したスーツドレスの「開放的すぎる」着こなしとは?
  • 2
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 10
    アメリカが警告を発する「チクングニアウイルス」と…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story