コラム

なぜ保険料を払っていない「主婦」への年金はなくならないのか...廃止論者が陥る「机上の空論」

2024年06月19日(水)18時16分

エリートである識者たちが見落とす「共働き」の現実

年金問題について発言する論者の多くはいわゆるエリート層であり、夫、妻ともに相応の年収を得ているケースが多い。共働き世帯が全体の8割を占めているというデータだけを見て、夫婦ともに相応の年収を得ているはずなので「専業主婦世帯を想定した制度は不要である」と早合点している。

主婦年金は廃止し、就労している人は全員、厚生年金に加入して保険料を納め、年金をもらったほうがよいのは自明の理だが、これを推進するには女性の賃金を上げ、女性だけが子育てや介護に従事するという社会慣習の是正を同時並行で進める必要がある。現実を見ない議論ばかりでは、いつまでたっても年金制度を改革することはできない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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