コラム

プロ投資家の多くが衆参同日選がないことを予想できていた理由

2019年07月17日(水)15時25分

まさに最悪の事態だったが、選挙期間中に大平氏が心不全で急逝し、自民党には大量の同情票が集中。結果的に自民党は大勝した。しかしながら、この勝利はあらゆる偶然が重なったものであり、後の政治家が参考にできるものではない。

ひるがえって、選挙前の安倍政権は、衆院で283議席(公明は29議席)、参院では121議席(公明は25議席)を確保しており、圧倒的な勢力といってよい。一方で、消費増税や年金問題など、選挙情勢は必ずしも良好とは言えない状況が続いていた。

安倍政権の現状について合理的に判断すれば、無理はせず、現在の権力を維持した方が圧倒的にメリットが大きい。

政治家というのは、国民が考えるよりもはるかに現実的で、かつ権力への執着が極めて強く、合理的に行動する生き物である。安倍氏個人は、解散を望んでいたかもしれないが、少なくとも菅官房長官など政権を支えるキーマンの多くは、解散には消極的だった可能性が高い。

市場関係者も徹底した合理主義者が多いので、この部分において両者には共通点がある。市場が解散を予想していなかったのもうなずける話だ。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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