コラム

トランプ政権の敵対的通商政策で日本側が持ち出すべき材料とは?

2018年04月03日(火)13時15分

日本はエネルギーの輸入大国であり、いずれにせよ原油や天然ガスは輸入しなければならない。中東やインドネシアからの輸入の一部を米国産に切り替えることで、日米交渉を有利に進めることができるなら、これほど都合のよい交渉材料はない。

日本はとかく情緒的に物事を判断する傾向が強く、実務的な交渉が苦手だ。だがトランプ政権は、交渉そのものを目的にしているといっても過言ではなく、具体的な成果を求めてくるのは確実だ。

米国は日本にとってもっとも重要な同盟国であることに変わりはないが、あくまでそれは双方がニーズを満たし合うドライな関係でしかないことを理解しておくべきだろう。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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