【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
今期(2026年3月期)の連結純利益は前期比26%減の7000億円を見込んでおり、傘下のローソンの株式再評価や、オーストラリアの原料炭鉱の売却損などが響いています。しかし来期にかけては、シェールガスやカナダのLNG案件が先行投資のフェーズから収益貢献のフェーズに移ります。
特にLNG権益は、今後さらに評価が高まると予想されています。LNGは気化しやすいため超低温保存が必須で、大量かつ長期の備蓄が極めて困難です。
LNGの世界有数の生産国であり、日本の主要な調達先でもあるカタールでは、国営エネルギー会社の施設が攻撃を受け、生産を停止しました。施設のダメージによる復旧の遅れも懸念されており、LNG需給の逼迫感はさらに強まるでしょう。
■今後、業績の上振れが期待される理由
AI時代を見据えた銅鉱山の権益強化も、三菱商事には追い風です。
データセンターの急増や電気自動車(EV)シフトにより、導電性に優れた銅の需要は爆発的に拡大しています。同社は2030年度までに持分銅生産量を年間40万トン超に引き上げる目標を掲げており、昨年8月にはアリゾナ州の銅鉱山権益の30%を約870億円で取得しました。
経済安全保障・エネルギー安全保障などの観点から、資源をめぐる各国の争奪戦は当面続くと見られます。三菱商事の現時点の業績見通しには、現在のエネルギー価格高騰という上振れ要因が十分には織り込まれておらず、今後の株価動向が注目されます。

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[筆者]
佐々木達也(ささき・たつや)/証券アナリスト、金融ライター
金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。
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