米財政赤字、今後10年でさらに拡大 減税・移民減少が影響=CBO
file020年12月、米ワシントンで撮影(2026年 ロイター/Erin Scott)
David Lawder Richard Cowan
[ワシントン 11日 ロイター] - 議会予算局(CBO)は11日、2026年度の財政赤字が1兆8530億ドルにやや拡大するという見通しを示した。赤字は今後10年間でさらに増加する見通しで、トランプ大統領の経済政策が財政状況悪化につながる可能性を示唆した。 26年度の赤字は対国内総生産(GDP)比で約5.8%と、25年度とほぼ同水準。しかし、27─36年度までの10年間では平均で同6.1%、36年度には同6.7%に達する見通し。これはベセント財務長官が目標とする約3%を大幅に上回る。
CBOが今回示した26年度財政赤字の見通しは25年1月時点の予測から約1000億ドル(8%)増え、26─35年度の累積赤字見通しは1.4兆ドル(6%)増えた。 CBOの試算によると、トランプ政権の関税措置に伴う歳入増で、赤字は今後10年で3兆ドル削減される見通し。一方、25年に成立した大規模な減税・歳出削減法によって、赤字は同期間に4兆7000億ドル押し上げられる見通し。また、移民減少によって5000億ドル増加すると予想される。 CBOが見込む成長率見通しは政権の見通しよりも低く、26年の実質GDP伸び率は2.2%、残りの10年間は平均1.8%程度まで鈍化すると予想する。トランプ政権高官は工場や人工知能(AI)向けデータセンターへの投資拡大を背景に、26年の成長率を3─4%と見込み、第1・四半期は6%を超える可能性があるという見通しを示している。
ホワイトハウスのデサイ報道官は、CBOは経済成長を過小評価することが多く、25年のGDP成長率はCBOの予測を上回ったと指摘。「トランプ大統領の経済政策のおかげで、赤字は減少し、成長率は高まり、米国の赤字は対GDP比で拡大するのではなく、削減されるだろう」と述べた。
公的債務は25年度の30兆1720億ドル(対GDP比99%)から、36年度には56兆1520億ドル(同120%)に拡大する見通し。第2次世界大戦によって債務が膨らんだ1946年のピーク(106%)を30年度に超えると予想されている。
米シンクタンク、超党派政策センターの経済政策責任者ジョナサン・バークス氏は「ごまかしはきかない。米国の財政健全性はますます悲惨になっている」と指摘。「わが国の公的債務はGDP比100%に達し、ブレーキをかけるどころか加速している」とし、「このような大幅な赤字は、成長を遂げている平時の経済としては前例がない」と述べた。





