アングル:米共和党、銃団体と亀裂で選挙リスク ミネアポリス射殺事件巡り
米中西部ミネアポリスで、アレックス・プレッティさんを追悼する人々。1月25日撮影。REUTERS/Tim Evans
Tim Reid Nathan Layne
[ワシントン 26日 ロイター] - 米中西部ミネアポリスで24日、連邦政府の捜査官が市民男性を射殺した事件を巡り、トランプ政権高官が、男性は抗議活動に合法的に所持していた銃を持参すべきでなかったとの考えを示したことに銃権利団体が反発している。最も忠実な共和党支持層である銃権利団体との異例の亀裂は、連邦議会中間選挙を控えて共和党にとってリスクとなる。
射殺されたアレックス・プレッティさん(37)は銃所持の許可証を取っていた。ミネアポリス警察署長は、プレッティさんが撃たれる前に銃を振り回した証拠は見ていないと述べている。
トランプ大統領、パテル連邦捜査局(FBI)長官、ノーム国土安全保障長官、ベセント財務長官、国境警備局の高官グレゴリー・ボビーノ氏はいずれも捜査官を擁護する形で、プレッティさんは銃を持ち込むべきではなかったと述べた。
パテル氏は25日、FOXニュースで「装填済みの銃と複数の弾倉を、いかなる抗議活動にも持ち込むことは許されない。ごく当然のことだ」と語った。
しかし、政治的影響力を持つ全米ライフル協会(NRA)など銃権利団体は、プレッティさんは公共の場で銃器を携帯する権利を行使しただけだと反論。銃携帯の権利が場所によって異なり、抗議活動には適用されないと政権側が示唆したことは、保守政治の根幹、すなわち「武器を保持・携帯する権利」に反すると主張した。
<不満を抱える有権者に新たな争点>
ミネソタ銃所有者議員連盟の議長で共和党員のブライアン・ストローサー氏はロイターに対し、武器の保持・携帯の権利を定めた憲法修正第2条から政権が後退していると指摘し、中間選挙で共和党に打撃を与えかねないと述べた。
有権者は既に生活費高騰や高い医療費に不満を抱いている上、トランプ氏の強硬な移民取り締まり手法に、共和党支持者を含む多くの有権者が不快感を募らせている。
フロリダ州の共和党ストラテジスト、ジェイコブ・ペリー氏は「銃のロビー団体を敵に回す選択は信じられないほど愚かだ。NRAと銃ロビーは50年にわたり、共和党の支持基盤だった」と話した。
銃権利団体は共和党の選挙運動への大きな献金元であり、メンバーは確実に共和党に投票するとともに、支持者の動員に効果を発揮してきた。
レビット大統領報道官は26日、「銃の所有者は誰でも知っていることだが、武器を携帯し武装している状態で法執行当局に対峙すればリスク、つまり自分に武器が行使されるリスクが高まる。残念ながら、24日に起きたのはまさにそれだ」と述べた。
NRAは26日、ソーシャルメディアでこの発言に言及し、法を守る米国民には銃を携帯する憲法上の権利がある一方、「合法的な移民取り締まりを妨害する権利はない」とした。
<銃所有者が重視する憲法修正第2条>
ロイターが検証した動画では、プレッティさんは銃ではなく携帯電話を手に持っている。捜査官と女性2人の間に割って入った後、プレッティさんは催涙スプレーを浴びせられ、制圧されて地面に押さえ付けられた。その後、捜査官がプレッティさんのベルトから拳銃を取り出したように見える。直後、捜査官がプレッティさんの背中を4発撃ち、他の捜査官も追加で発砲した。
全米銃所有者協会(GOA)とNRAはトランプ氏への直接の批判を避けつつ、トランプ氏が任命した連邦検事ビル・エサイリ氏の「銃を持って法執行官に近づけば、撃たれることが法的に正当化される可能性が高い」というソーシャルメディアへの投稿について「危険で間違っている」と非難した。
GOAの広報、ルイス・バルデス氏は「われわれの立場は極めて単純だ。われわれはいかなる状況においても憲法修正第2条を擁護する」と述べた。
共和党のコンサルタント、ジャネット・ホフマン氏は、銃所有者は忠実な共和党支持層であり、憲法修正第2条が定めた権利を真剣に考えていると指摘。「憲法修正第2条を重視する層が、トランプ政権によって憲法上の権利が侵害されていると感じるなら、中間選挙に影響が出かねない」と述べた。





