カナダ、はしか排除国認定を30年ぶり失う=汎米保健機構
2025年10月27日、カナダ、アルバータ州タバーで、はしか流行に注意喚起するポスター。REUTERS/Ahmed Zakot
David Ljunggren Julie Steenhuysen
[オタワ 10日 ロイター] - 汎米保健機構(PAHO)は10日、カナダが約30年ぶりに麻疹(はしか)排除国認定を失ったと発表した。1年にわたり流行を抑制できなかったことが理由。これにより米州地域全体の認定も失われる。
保健専門家は先月、PACOがカナダの排除国認定を取り消すと予想していた。カナダでは10州のうち9州と北部準州の1州ではしかの症例が5000件以確認されている。
米州地域全体としても排除認定を失うが、各国は個別に認定を維持する。ベリーズ、ボリビア、ブラジル、メキシコ、パラグアイ、米国も活発な流行に直面している。
はしかは予防接種率が95%に達すれば予防の可能性が極めて高い疾患だ。これは集団免疫を達成して、ワクチン接種ができない人々を保護するために必要な水準で、ワクチン2回の接種で97%の有効性を示す。
保健専門家は、カナダの一部でワクチン接種率が低下したことでウイルスが拡散したことは、コロナ禍以降、ワクチンに対して疑いや不信感を抱く人が増える中、ワクチンで予防可能な疾患が再流行する前兆だと警告した。
カナダ公衆衛生庁は、ワクチン接種率の向上、データ共有の強化、ウイルス監視体制全体の改善に力を注ぐと述べた。
はしかの根絶が認められるには、各国は高品質な監視システムの整備に加え、ウイルス拡散を阻止し、国内で同じ株の麻疹ウイルスの感染例が確認されない状態を12カ月以上維持しなくてはならない。





