ニュース速報
ワールド

ロシア・ルクオイル、イラク事業で不可抗力条項宣言 米制裁で

2025年11月11日(火)11時49分

 ロシア石油大手ルクオイルが、イラクの西クルナ事業について不可抗力条項を宣言したことが分かった。同社ロゴの資料写真(2025年 ロイター/Anton Vaganov)

[バグダッド 10日 ロイター] - ロシア石油大手ルクオイルが、イラクの西クルナ事業について不可抗力条項を宣言したことが分かった。関係者4人が10日、明らかにした。ブルガリアも同社が国内に所有するブルガス製油所を接収する見通し。

今回のイラク事業での不可抗力条項発動は、先月の米国によるルクオイルとロスネフチに対する制裁の影響としては最も甚大。

関係者4人によれば、ルクオイルは4日、イラク石油省に対し書簡を送付し、西クルナ油田2に不可抗力条項を発動したため、通常操業の継続が不可能だと通告した。

ルクオイルはロシア企業の中で最も海外市場進出が進んでいる。西クルナ2油田は世界最大規模の油田の一つで、同社にとって最も重要な海外資産だ。

イラク石油省高官は、不可抗力条項発動の原因が6カ月以内に解消されなければ、ルクオイルは同油田での生産を停止し完全撤退する可能性があると述べた。

関係者4人のうち3人は10日、イラクが米国の制裁を受け、ルクオイルへの現金および原油による支払いをすべて停止したと明らかにした。

石油省高官によると、制裁を巡る問題が解決されない限り、イラク石油販売公社(SOMO)はルクオイルとの契約を継続できないという。

西クルナ事業の責任者によれば、同社は7日、ロシア人以外の外国人従業員に雇用終了のメールを送付。現在はロシア人とイラク人のみが残っているという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米韓合意の文書いまだ発表されず、潜水艦問題で難航か

ワールド

NY市長選、マムダニ氏当選でユダヤ系有権者に亀裂 

ワールド

豪11月の消費者信頼感指数、3年9カ月ぶりに100

ワールド

今年のノーベル物理学賞受賞者、HPEなどと量子スー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    インスタントラーメンが脳に悪影響? 米研究が示す「…
  • 7
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中