ＵＰＳの航空輸送拠点閉鎖、世界的な配送に遅延発生へ

　米国際貨物輸送大手ユナイテッド・パーセル・サービス（ＵＰＳ）は、米ケンタッキー州のルイビル国際空港にある広大な航空貨物輸送拠点「ワールドポート」が致命的な航空機事故の発生に伴い一時的に閉鎖されたため、世界的な配送網に遅延が発生しそうだ。同空港で５日撮影。提供写真(２０２５年　ロイター/USA Today Network via Imagn Images)

Lisa Baertlein

[ロサンゼルス ５日 ロイター] - 米国際貨物輸送大手ユナイテッド・パーセル・サービス（ＵＰＳ）は、米ケンタッキー州のルイビル国際空港にある広大な航空貨物輸送拠点「ワールドポート」が致命的な航空機事故の発生に伴い一時的に閉鎖されたため、世界的な配送網に遅延が発生しそうだ。

ワールドポートは毎日約３６０便の航空機が運び込む数百万個の荷物を処理している。面積は約４８万平方メートル余りとアメリカンフットボール競技場の８９面分に相当し、1時間当たり４１万６０００個の荷物を処理できる。ＵＰＳの貨物機が４日夜にルイビル国際空港で墜落し、乗員３人を含む少なくとも１２人が死亡したため業務を停止した。

ＵＰＳは通常業務の再開時期については明らかにしていない。４日の利用者向け通知で、航空荷物と国際便荷物の配達予定に影響が出る可能性があるとし、混乱を最小限に抑えるための代替計画があると述べた。

ＵＰＳの多くの荷物がワールドポートを経由して他の目的地に向かうため、顧客にとって遅延や混乱が避けられないと、貨物輸送運賃分析プラットフォーム「ゼネタ」の航空貨物責任者ニール・ファンデワウ氏は述べた。

「閉鎖が1日続くごとに、航空貨物の回復に数日かかる可能性がある。特に年末の繁忙期に向かっている今はなおさらだ」とファンデワウ氏は語った。

ファンデワウ氏はより広範な航空貨物業務や運賃に対する影響は限定的と見ている。

ＵＰＳの配送および返品サービスの顧客には米企業や米政府機関が多く含まれており、今回の遅延は影響が幅広く及ぶだろう。

ＵＰＳは２０２４年９月以降、米郵便公社（ＵＳＰＳ）の優先配達郵便物やその他の速達郵便物を輸送する最大の航空貨物事業者となっている。

ＵＰＳは米電子商取引（ＥＣ）大手アマゾン・ドット・コムが最大の顧客で、米小売り大手のウォルマートやターゲット、製造業者や企業向けにも配送業務をしている。