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カーター氏国葬、歴代米大統領ら哀悼の意 人道活動の功績しのぶ

2025年01月10日(金)09時38分

昨年12月29日に100歳で死去した第39代米大統領ジミー・カーター氏の国葬が、首都ワシントン市内のワシントン大聖堂で執り行われた。9日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

Jeff Mason Katharine Jackson Bo Erickson

[ワシントン 9日 ロイター] - 昨年12月29日に100歳で死去した第39代米大統領ジミー・カーター氏の国葬が9日、首都ワシントン市内のワシントン大聖堂で執り行われた。バイデン大統領やトランプ次期大統領ら存命の大統領経験者5人を含む数百人が参列した。

米国旗に覆われたカーター氏のひつぎを前に、カーター氏の親族やバイデン大統領が弔辞を読み上げ、紛争の平和的解決や人道的活動に尽力したカーター氏の死を悼んだ。

バイデン大統領は、カーター氏が「政治の潮流に流されず、世界に奉仕し形作るという使命を貫いた」とし、「人格と信念は自分自身から始まり、他者に伝わっていくことを示してくれた」と述べた。

「ジミー・カーターの友情は人格の強さが肩書きや権力以上のものだと私に教えてくれた。それは誰もが尊厳と尊敬をもって扱われるべきだと理解する強さだ」と語った。

また、カーター政権下で副大統領を務めた故ウォルター・モンデール氏の息子は、「われわれは真実を語り、法律に従った」とする亡父から託されたカーター氏への弔辞を読み上げた。

20日に大統領就任式を控えるトランプ氏は、オバマ元大統領の隣に座り会話をする姿も見られた。国葬が始まる前には自身の1期目大統領在任時に副大統領だったマイク・ペンス氏とも握手を交わした。2020年の大統領選での敗北結果を覆そうとするトランプ氏の試みへの同調をペンス氏が拒否したため、両者は衝突した経緯がある。

オバマ氏の隣には、ブッシュ(子)元大統領夫妻とクリントン元大統領夫妻が肩を並べた。カナダのトルドー首相ほか、日本からは菅義偉元首相が出席した。

カーター氏の孫の1人、ジェイソン・カーター氏は、カーター氏が謙虚さを堅持し、自分の価値観に忠実だったと述べた。「公の顔と私的な顔に違いを感じたことは一度もなかった。誰と一緒にいても、どこにいても同じ人だった」と祖父をしのんだ。

国葬の感動的な場面の一つは、1976年の大統領選でカーター氏に敗れた故フォード元大統領がカーター氏のため生前に書いた弔辞をフォード氏の息子によって読み上げられた時だ。

「ジミーと私は親友としてお互いを大切にする前から、ライバルとしてお互いを尊敬していた」とした上で、「1976年の選挙結果が私の最も深く永続的な友情の一つをもたらすことになるとは、私は知る由もなかった」と代読された。

<国葬前に一般市民も弔問>

カーター氏はジョージア州の落花生農家に生まれた。同州知事などを経て、1976年の米大統領選挙に民主党候補として出馬し、77年1月に第39代大統領に就任した。翌年78年にはキャンプ・デービッド合意を仲介してエジプトとイスラエルの和平条約を実現し、中東の安定化につながった。退任後は長く人道的活動に取り組んだ。国際紛争の平和的解決の追求や民主主義と人道主義発展ための取り組みが評価され、2002年にノーベル平和賞を受賞した。

カーター氏は歴代の大統領の中で最高齢だった。

この2日間では何万人もの一般市民が連邦議会議事堂に安置されていたカーター氏のひつぎを弔問。多くは党派色の強い今の政治家にとってカーター氏の良識と謙虚さが模範を示していると称えた。

ロイター
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