ニュース速報
ワールド

メキシコ中銀、0.25%利下げ 物価情勢改善で追加緩和も示唆

2024年11月15日(金)08時07分

 メキシコ中央銀行は11月14日の会合で政策金利の25ベーシスポイント(bp)引き下げを決めた。利下げは3会合連続。4月24日、メキシコ市で撮影(2024年 ロイター/Henry Romero)

Brendan O'Boyle

[メキシコ市 14日 ロイター] - メキシコ中央銀行は14日の会合で政策金利の25ベーシスポイント(bp)引き下げを決めた。利下げは3会合連続で、物価情勢の改善に伴って追加利下げの可能性も示唆された。

5人の政策委員は全会一致で政策金利を10.25%に下げることを決定。ロイターがまとめたアナリスト調査でも利下げ予想が圧倒的多数派だった。

中銀は声明で、物価動向を把握する適切な指標と見なすコア物価上昇率が減速を続けると想定されると指摘し、そうした環境によって政策金利のさらなる調整が可能になるだろうとの見方を示した。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア物価上昇率は10月が3.80%と、9月の3.91%を下回った。

キャピタル・エコノミクスの新興国市場副チーフエコノミスト、ジェーソン・タビー氏は「政策委員会は今後数カ月で追加利下げに動く余地を残した。ただ特にトランプ次期米政権がメキシコ製品への輸入関税適用の構えを強めるようなら、通貨ペソの動向を注視することになるだろう」と述べた。

メキシコペソは過去半年で急激に軟化している。メキシコ大統領選後の政策措置によって同国の司法制度に対する投資家の信認が揺らいだほか、米大統領選におけるトランプ前大統領の勝利で米・メキシコの貿易関係を巡る先行き不透明感が浮上しているためだ。

ゴールドマン・サックスの中南米調査責任者を務めるアルベルト・ラモス氏は、メキシコ中銀が12月会合で追加の25bp利下げを決めると予想しつつも、米・メキシコ関係に関する多くの問題などで不確実性が広がっている以上、50bp利下げのハードルは相対的に高くなっていると付け加えた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

焦点:税収増も給付財源得られず、頼みは「土台増」 

ワールド

米、対外援助組織の事業を正式停止

ビジネス

印自動車大手3社、6月販売台数は軒並み減少 都市部

ワールド

米DOGE、SEC政策に介入の動き 規則緩和へ圧力
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中