ニュース速報

ワールド

動静不明の中国国防相は軟禁状態か、駐日米大使が疑問投稿

2023年09月15日(金)17時05分

 9月15日、エマニュエル駐日米大使は、中国の李尚福国防相の動静が2週間以上途絶えていることについて、自宅軟禁下に置かれているのではないかと疑問を呈した。李国防相、4月にモスクワを訪問した際に撮影。提供写真(2023年 ロイター/Sputnik/Pavel Bednyakov/Pool via REUTERS)

Yukiko Toyoda Yew Lun Tian

[東京/北京 15日 ロイター] - エマニュエル駐日米大使は15日、中国の李尚福国防相の動静が2週間以上途絶えていることについて、自宅軟禁下に置かれているのではないかと疑問を呈した。

「まず李氏はこの3週間消息不明だ。次にベトナムへの外遊に現れなかった。そして今度はシンガポール海軍総司令官との会談を欠席した。自宅軟禁されているからか」とX(旧ツイッター)に投稿した。

この投稿には「#北京のビルでのミステリー」というハッシュタグが付けられ、「デンマークは何かが腐っている」というシェークスピアの戯曲「ハムレット」からの引用も添えられている。

中国外務省と国防省にコメントを求めたが回答は得られていない。

李氏は8月29日に北京で開催したアフリカ諸国との安全保障フォーラムで演説して以降、動静が公になっていない。

ロイターは14日、李氏が先週行う予定だったベトナム高官らとの会談を中国側が「健康状態」を理由にキャンセルしたと報じた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は15日、関係筋の話として、李氏が当局の調査を受けていると米政府は考えていると報じた。報道は調査の内容については言及していない。

エマニュエル氏が投稿で言及したシンガポール海軍総司令官は4─9日に訪中したショーン・ワット少将を指しているとみられる。関係筋によると、ワット氏は5日に李氏と会談する予定だったが、「実現しなかった」という。

中国では消息不明になっていた秦剛前外相が突然交代し、理由も明らかにされなかったため、メディアなどで大きな話題になったばかり。李氏と秦氏は5人いる国務委員に名を連ねており、通常の閣僚より地位が高い。

李氏は3月に国防相に任命される前は軍の調達部門の責任者だった。同部門は7月の通知で入札プロセスの問題を一掃する方針を示していた。

米国は李氏がロシアの兵器輸出会社ロソボロネクスポートからの兵器調達に関与したとして2018年に同氏を制裁対象に指名しており、同氏の消息に注目している。

*動画を付けて再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀、バーゼル規則の実施一部2028年に延期 

ビジネス

リオ・ティント鉄鉱石生産、第2四半期として18年以

ビジネス

米国防総省、国内の重要鉱物プロジェクト投資継続へ=

ビジネス

カナダCPI、6月は前年比+1.9%に加速 今月利
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 5
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 6
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 7
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 8
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 9
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中