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南ア中銀、内外リスクが金融安定脅かす恐れと警告

南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は5月29日公表した最新の金融システム半期点検報告で、国内の金融機関と金融システムは最近の世界的な銀行セクター混乱にもなお耐性を発揮したと評価した。写真は南アの通貨ランド紙幣を数える交換業者。ジンバブエの首都ハラレで2016年5月撮影(2023年 ロイター/Philimon Bulawayo)
[ヨハネスブルク 29日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は29日公表した最新の金融システム半期点検報告で、国内の金融機関と金融システムは最近の世界的な銀行セクター混乱にもなお耐性を発揮したと評価した。ただ内外の複数のリスク要因により、向こう1年で金融安定が脅かされる恐れがあると警告した。
SARBは具体的に(1)再三にわたる停電に伴う電力供給途絶の脅威(2)根強いインフレ(3)資金流出(4)マネーロンダリング(資金洗浄)を巡る問題(5)ロシアへの武器供給疑惑で制裁を科される可能性――をリスク要因に挙げた。
資金洗浄に関しては今年2月、国際組織の金融活動作業部会(FATF)が南アを「グレーリスト(強化監視対象国・地域)」に加えると発表し、適切な資金洗浄防止策やテロ資金対策を講じるよう求めている。
また米国は今月、南アがロシアへ武器を供給している疑いがあると主張。制裁が発動されるのではないかとの観測から、通貨ランドの急落を招いた。
今回の報告でSARBは、制裁が科されればドル建てでの貿易決済や金融取引、投資が不可能になるとの懸念を示した。