ニュース速報

ワールド

南ア中銀、内外リスクが金融安定脅かす恐れと警告

2023年05月30日(火)08時06分

 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は5月29日公表した最新の金融システム半期点検報告で、国内の金融機関と金融システムは最近の世界的な銀行セクター混乱にもなお耐性を発揮したと評価した。写真は南アの通貨ランド紙幣を数える交換業者。ジンバブエの首都ハラレで2016年5月撮影(2023年 ロイター/Philimon Bulawayo)

[ヨハネスブルク 29日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は29日公表した最新の金融システム半期点検報告で、国内の金融機関と金融システムは最近の世界的な銀行セクター混乱にもなお耐性を発揮したと評価した。ただ内外の複数のリスク要因により、向こう1年で金融安定が脅かされる恐れがあると警告した。

SARBは具体的に(1)再三にわたる停電に伴う電力供給途絶の脅威(2)根強いインフレ(3)資金流出(4)マネーロンダリング(資金洗浄)を巡る問題(5)ロシアへの武器供給疑惑で制裁を科される可能性――をリスク要因に挙げた。

資金洗浄に関しては今年2月、国際組織の金融活動作業部会(FATF)が南アを「グレーリスト(強化監視対象国・地域)」に加えると発表し、適切な資金洗浄防止策やテロ資金対策を講じるよう求めている。

また米国は今月、南アがロシアへ武器を供給している疑いがあると主張。制裁が発動されるのではないかとの観測から、通貨ランドの急落を招いた。

今回の報告でSARBは、制裁が科されればドル建てでの貿易決済や金融取引、投資が不可能になるとの懸念を示した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、15日にトルコで直接協議提案 ゼレンス

ビジネス

ECBは利下げ停止すべきとシュナーベル氏、インフレ

ビジネス

FRB、関税の影響が明確になるまで利下げにコミット

ワールド

インドとパキスタン、停戦合意から一夜明け小康 トラ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦闘機を撃墜する「世界初」の映像をウクライナが公開
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    指に痛みが...皮膚を破って「異物」が出てきた様子を…
  • 6
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 7
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 8
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中