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原油先物は続伸、クルド人自治区の供給停止や金融不安後退で

アジア時間29日の原油先物は続伸。イラク北部のクルド人自治区からの原油輸出の一部停止が供給逼迫につながる可能性が意識されているほか、金融システム不安の後退で市場心理が改善した。写真は2022年8月、ロシアのナホトカで撮影(2023年 ロイター/Tatiana Meel)
[東京 29日 ロイター] - アジア時間29日の原油先物は続伸。イラク北部のクルド人自治区からの原油輸出の一部停止が供給逼迫につながる可能性が意識されているほか、金融システム不安の後退で市場心理が改善した。
0046GMT(日本時間午前9時46分)時点で北海ブレント先物は0.42ドル(0.5%)高の1バレル=79.07ドル。米WTI先物は0.59ドル(0.8%)高の73.79ドル。
楽天証券の吉田哲コモディティアナリストは、クルド人自治区の供給減少や金融不安の後退に加え、銀行部門のストレスを理由に連邦準備理事会(FRB)が利上げに慎重な姿勢を維持するとの期待を背景に、世界経済や原油需要の先行きに楽観的な見方が強まったと指摘した。
原油相場はクルド人自治区からの日量約45万バレルの原油輸送について、イラク政府の同意が必要との仲裁判断を受けてイラクとトルコを結ぶパイプラインが停止して以来、上昇を続けている。
バークレイズは2023年のブレント価格を92ドルと予測しているが、クルド人自治区からの供給停止が年末まで長引けば、価格が3ドル上振れるとの見方を示した。