ニュース速報

ワールド

ドイツ、ウクライナにレオパルト戦車供与へ 他国の供給も許可

2023年01月25日(水)23時57分

ドイツ政府報道官は25日、同国製戦車「レオパルト2」をウクライナに供与すると発表した。パートナー国による再輸出も認める。レオパルト2、スイスで昨年11月撮影。(2023年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[ベルリン 25日 ロイター] - ドイツ政府は25日、同国製戦車「レオパルト2」をウクライナに供与すると発表した。ポーランドなどのパートナー国が保有する同戦車の供給も認める。

ウクライナでレオパルト2を保有する2つの大隊を早急に編成することが目標とし、ドイツは第一段階として軍事備蓄から14両のレオパルト2を輸出する。ドイツでのウクライナ軍の訓練も近く開始するほか、後方支援や弾薬も提供する。

ランブレヒト独国防相によると、ドイツの戦車は3─4カ月で準備が整う見通し。

ショルツ独首相は議会で「ドイツはウクライナ支援において常に最前線に立つ」と言明した。さらに、ドイツは可能な限りの行動を取るべきとしつつも、「戦争がロシアと北大西洋条約機構(NATO)の戦争にエスカレートすることを防ぐ必要もある」とも述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「重要かつタイムリーな決定」とし、ショルツ首相に謝意を表明し、他のパートナー国にとり「同様の兵器を供給するための青信号」になると述べた。

ウクライナのクレバ外相も、他の保有国に対し可能な限り多くのレオパルト2を供給するよう訴えた。

ドイツの決定はポーランドのほか、スペイン、フィンランド、オランダ、ノルウェーなどによるレオパルト2供給に道を開くことになる。

ポーランドと英国はドイツの決定を歓迎。ポーランドのモラウィエツキ首相は「ロシアを止めるための大きな一歩」と述べた。ポーランドはこれまでにレオパルト2を14両、英国も主力戦車「チャレンジャー2」を14両供与すると発表している。

ストルテンベルグNATO事務総長は、ウクライナへの戦車提供を巡るショルツ首相の「指導的役割」を評価し、「ロシアの戦争における重要な場面でこれら戦車はウクライナの自衛、勝利、そして独立国家として存在することを支援する」と述べた。

フランス政府当局者は、同国製戦車「ルクレール」をウクライナに供与するかという質問に対し「タブーはない」としつつも、米独の決定とは別に選択肢を精査すると応じた。

一方、ロシア外務省のザハロワ報道官は、ドイツがウクライナに戦車を供与するという決定は、ロシアに対する「あらかじめ計画された戦争」であることを裏付けると述べた。

また、複数の米政府高官は24日、米政府がウクライナへの主力戦車「エイブラムス」供与を巡り反対姿勢を撤回するとの見方を明かした。最終的に数十台を供与するプロセスを開始する用意があるという。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=小反発、ナスダック最高値 決算シーズ

ワールド

トランプ氏、ウクライナ兵器提供表明 50日以内の和

ワールド

ウへのパトリオットミサイル移転、数日・週間以内に決

ワールド

トランプ氏、ウクライナにパトリオット供与表明 対ロ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 2
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中