ニュース速報

ワールド

英、北アイルランド問題で新たな取り決めをEUに要求

2021年07月22日(木)09時42分

7月21日、英国は英国の欧州連合(EU)離脱後の英領北アイルランドとの貿易に関して、EUに新たな取り決めを求めた。写真は7月3日、北アイルランドのベルファストで撮影(2021年 ロイター/Jason Cairnduff)

[ロンドン 21日 ロイター] - 英国は21日、英国の欧州連合(EU)離脱後の英領北アイルランドとの貿易に関して、EUに新たな取り決めを求めた。EU側は英国の要求を受け入れない考えを示した。

ジョンソン英首相が支持した北アイルランド議定書は、英国が国民投票で離脱を決めてから4年後に締結した協定に盛り込まれた。議定書は実質的に、英国本土と英領北アイルランド間のモノの検査を規定。ただ、これは企業にとって負担となっている。

英国側の交渉責任者を務めるデービッド・フロスト氏は、議定書第16条(セーフガード条項)を発動することに正当な理由があるものの、「発動するべき時ではないとの結論に至った」と表明。第16条は、議定書が予想外に有害であることが判明した場合に、双方が適用を免除することができると定めている。

同時に「全ての人々が恩恵を受けるように、北アイルランドに関する取り決めの新たなバランスに向け、交渉を通じてEUとの合意を模索するという、これまでとは異なる方法で前進する機会があると考える」とし、「大きな変化」を生み出すための交渉を求めた。

英国の度重なる要求にもかかわらずEUは議定書の改正を拒否。取り締まりが難しいアイルランドとの国境で、規制基準を満たさないモノがEUの単一市場に入ることを懸念している。

欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は、議定書はジョンソン氏とフロスト氏が交渉した合意だとし、書き換えることはできないと強調。「国際的な法の取り決めを順守することは極めて重要だ」とし、「再交渉には応じない」と明言した。

その上で「きょうの提案も含め、英国とのやり取りを続ける」と発言。「議定書の枠組みの中で、北アイルランドの全コミュニティーの利益になるよう、創造的な解決策を引き続き模索する用意がある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏インフレは当面2%程度、金利は景気次第=ポ

ビジネス

ECB、動向次第で利下げや利上げに踏み切る=オース

ビジネス

ユーロ圏の成長・インフレリスク、依然大きいが均衡=

ビジネス

アングル:日銀、追加利上げへ慎重に時機探る 為替次
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 10
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中