ニュース速報

ワールド

J&Jワクチン接種再開は情報収集後、米CDC諮問委が方針

2021年04月15日(木)10時21分

 4月14日、米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会はジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチン接種者に血栓の事例が報告され、接種を一時停止した問題に関し、十分なデータを集めてから再開を判断する方針で一致した。写真はJ&Jワクチンのイメージ。2020年10月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[14日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会は14日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチン接種者に血栓の事例が報告され、接種を一時停止した問題に関し、十分なデータを集めてから再開を判断する方針で一致した。

諮問委は7─10日後に再び会合を開く。

CDCと米食品医薬品局(FDA)は前日、J&Jのコロナワクチンについて、接種した50歳以下の女性6人に血栓が生じる事例が報告されたことを受け、接種を一時中止するよう勧告した。

ミネソタ州保健当局の疫学者リン・バタ氏など諮問委メンバーらは、接種停止を継続し、安全性に関する情報をさらに収集する必要があると主張。

バタ氏は「しっかりとした情報を得ることで、われわれは確信を持ってこのワクチンの安全性について語れるようになる」と述べた。

一方、FDAのワクチン開発部門のドラン・フィンク副ディレクターは諮問委に対し、FDAによる警告文書や情報発信によって医師が同ワクチンのリスクとメリットを検証できるようになるとの見解を示した。

諮問委の一部メンバーは、J&Jのワクチンが1回の接種で済み、冷蔵保管が可能であることから、接種停止を継続すれば都市から離れた地域などでのワクチンの公平分配がさらに難しくなるとの懸念を示した。

一方、ホワイトハウスのザイエンツ新型コロナ対策調整官は記者会見で、血栓の発症報告への規制当局の迅速な対応は、ワクチンの安全性に関して国民の信頼向上につながるはずだと指摘。

J&Jワクチン接種の一時停止の影響を相殺し、国内のワクチン接種ペースを維持するため、モデルナとファイザーのワクチンの生産・出荷を加速させる措置を講じたことも明らかにした。

CDCのワレンスキー所長も、J&Jのワクチン接種を予約していた人たちが接種できるように国内の関係各所と協力すると表明した。

ザイエンツ氏によると、米国のワクチン普及は加速しており、1日平均330万回の接種が行われている。

FDAはロイターへの電子メールで、CDCと協力して引き続きワクチンの安全性データを検証していくとし、新たな科学的証拠が見つかれば情報を開示すると述べた。

また、「患者を守るため、こうした審議の手続きを進め、国民がワクチンの安全性と効果を信頼できる環境を整えることが重要だ」と付け加えた。

*FDAのコメントを追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 「解決策模索

ビジネス

日銀短観、大企業・製造業DIは4年ぶり高水準 米関

ワールド

ベネズエラ同盟国がマドゥロ氏支持表明、米の石油タン

ワールド

ノーベル委、平和賞受賞のモハンマディ氏逮捕を非難 
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中