ニュース速報

ワールド

日米首脳会談、共同文書に中国人権状況への懸念明記で調整=関係筋

2021年04月08日(木)18時34分

 4月16日に予定されている日米首脳会談の共同文書に、新疆ウイグル自治区や香港を念頭に中国の人権状況に関する懸念を明記する方向で調整が進んでいる。写真は日米の国旗。ニューヨークで2016年11月撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

[東京 8日 ロイター] - 16日に予定されている日米首脳会談の共同文書に、新疆ウイグル自治区や香港を念頭に中国の人権状況に関する懸念を明記する方向で調整が進んでいる。複数の関係筋が明らかにした。中国側が日本企業などに報復措置を講じる可能性が懸念されるものの、中国の人権状況に批判を強める欧米に平仄を合わせる格好だ。

米国は新疆ウイグルの少数民族をめぐる中国当局の扱いが人権侵害に当たるとして欧州やカナダとともに制裁を行っている。日本政府も同自治区の人権状況に「深刻な懸念」(加藤勝信官房長官)を示しつつ「人権問題を直接、明示的な理由として制裁を実施する規定はない」(同)として制裁には距離を置いてきた。実際には「経済的に関係の深い中国を刺激しないのが政府の従来方針だった」(外務省関係者)ためだ。

しかしある与党幹部は「米国側からみれば日本は拉致問題で協力を要請しながら、対中制裁に応じないというのは虫が良すぎるとの見方がある」と指摘。「文書での人権問題指摘は避けられない」(政府関係者)情勢だ。

その場合「中国が日本・日本企業に対して何らかの報復措置を打ち出す可能性があり、経済制裁を打ち出している欧米に対する中国の対応などを研究している」(同関係者)との声も聞かれる。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「ウイグルの人権問題は十分に事実が明らかになっていない面があり、日本として対中制裁は回避できる公算が大きい。一方、日本は米国に尖閣防衛など海洋軍事面で協力を仰いでおり、対中制裁で協力できない場合、共同文書での対中批判は避けられない」とみる。

その場合「中国側は対豪州で各種の輸入制限を課しており、日本からの輸入制限なども打ち出す可能性はある」とみている。

(竹本能文※)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ルノー、EV子会社「アンペア」閉鎖へ 前CEOの旗

ビジネス

ロレアル、インドに美容技術ハブ設立へ 30年までに

ビジネス

再送-ネットフリックス共同CEO、ワーナー資産買収

ワールド

プーチン氏、米特使と22日会談と表明 凍結資産活用
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 9
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 10
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中