ニュース速報

ワールド

シンガポール、第2四半期に景気後退入り 過去最悪

2020年08月11日(火)13時04分

8月11日、シンガポール貿易産業省が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)の影響で、速報値から下方修正された。写真はシンガポールで7月撮影(2020年 ロイター/Edgar Su)

[シンガポール 11日 ロイター] - シンガポール貿易産業省が11日に発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)の影響で、速報値から下方修正された。

第2・四半期のGDP改定値は前年比13.2%減少。速報値は12.6%減だった。アナリスト8人の予想中央値とは一致した。

季節調整済みの前期比年率では42.9%減少。速報値は41.2%減。こちらも予想とは一致した。

第1・四半期のGDPは前年比0.3%減、前期比年率3.1%減だった。これでシンガポール経済は2四半期連続のマイナス成長となり、リセッション(景気後退)入りした。

政府は、通年の成長率予想を従来のマイナス4─7%からマイナス5─7%に修正した。

同省の当局者は「新型コロナの感染状況が今後数四半期にどうなるかや、それに左右される世界経済と国内経済の見通しに関して、依然としてかなりの不透明感がある」とし、「シンガポール経済の見通しは5月以降、やや弱まった」と述べた。

シンガポールは新型コロナの感染拡大を抑制するため、第2・四半期のほとんどの期間においてロックダウン措置を講じていた。

メイバンクのエコノミストは「第2・四半期と通年のGDP下方修正は、景気回復ペースの鈍化を意味している」と指摘し、ロックダウン規制は緩和されたものの、厳格な国境規制やソーシャルディスタンスのルール、外国人労働者不足が回復ペースを圧迫すると説明した。

新型コロナ対策としてシンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は3月に金融緩和を行い、政府も約1000億シンガポールドル(720億ドル)の景気刺激策を講じている。

<過去最悪のマイナス成長>

チャン・チュンシン貿易産業相は「厳しい現実だが、コロナ前の世界には戻っていない。回復にはまだしばらく時間がかかる」と発言。

「2020年の予測は、本質的には過去2-3年の成長が帳消しになることを意味している」とし、四半期ベースで過去最悪のマイナス成長になったと指摘した。

MASのチーフエコノミスト、エド・ロビンソン氏は11日、現行の金融政策スタンスについて「ディスインフレ圧力の拡大や深化を見越しており、引き続き適切だ」と発言。 シンガポールドルの名目実効レート(NEER)が4月以降、政策バンドの半ば付近で推移しているとの認識を示した。

*内容を追加します

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏がアジア歴訪開始、タイ・カンボジア和平調

ワールド

中国で「台湾光復」記念式典、共産党幹部が統一訴え

ビジネス

注目企業の決算やFOMCなど材料目白押し=今週の米

ビジネス

米FRB、「ストレステスト」改正案承認 透明性向上
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任務戦闘艦を進水 
  • 4
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 5
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 8
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 9
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 10
    アメリカの現状に「重なりすぎて怖い」...映画『ワン…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 6
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 7
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中